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真 復活編04 -復活レッスン-

2014年4月27日
その日はやってきた。

復帰一回目のリハビリレッスンである。
「発表会用の曲」を携えてレッスンに望むのはいつ以来だろうか・・・。

おそらくは1年以上前である。
緊張が高まる。


私 「どうも・・・お久しぶりで・・・」


先生 「お久しぶりで・・・」


嫁 「こんにちわ~」


と手を振る何故かついてきた嫁。
手を振り返す先生。


先生 「どうですか 旦那は?」


― なぜ嫁に聞く


嫁 「えっとねぇ・・・音程とかひどいです。 ウフフ・・・」


orz


調弦をしている横で、私の凋落っぷりを先生に語る嫁。


先生 「ふむふむ・・・。なるほど。とりあえず聞いてみましょかね」


  


さっそく第1楽章を一人で弾かされる。

ちなみに曲名がDUETTOなので、当然デュエット曲である。
休止前、デュエット曲であれば一発目のレッスンから「じゃあ、とりあえず」という事でイキナリ合わせるということが多かった。おそらくだが、調弦の時点で「こいつぁ・・・ダメだ・・・」と思ったのだろう。


ところどころ間違えたりしながら一応は最後まで弾く。


先生 「ふーむ・・・」


― ドキドキ・・・


先生 「音程は嫁が言うほどでもないですね・・・」


― ですよね


左手の音程は思ったほど落ちてない。
これは事前のセルフチェックと同じだ。


先生 「問題は右手ですなぁ・・・」


― デスヨネー・・・orz


先生 「まず、ごまかして弾かない


私 「ごまかして?」


先生 「久しぶりだから、できたはずのことが色々できなくなってますよね?」


私 「・・・」


先生 「でも、耳元でなんとなくそれらしくなるように雰囲気で色々やってますよね?」


私 「・・・」


先生 「それをやめましょう」


ラッシュ来た。


先生 「そのためには、まず、ゆっくりと一音一音弾きましょう。それができる速さで。」


先生 「まずはしっかりつなげて弾く。切るのはいつでも出来るんです。」


先生 「それでもう一回弾いて下さい」


もう一回頭から弾く。

弾き始めると一小節も行かない間に止められて大量の指摘が来る。


先生 「腕と肩まわりを柔らかく!」


先生 「移弦で腕を下ろす時に力で行かない!」


低音弦から高音弦への移弦の際に「ふん!」という感じで腕の力で移弦をしてしまっていた。
力が抜けていれば重力の助けで自然と移弦ができるはずなのである。


先生 「ここ。この筋肉が動かないように意識して下さい。」


腕の付け根の筋肉を指で押しながら移弦だけをやらされる。


先生 「動いてる!」


― ひぃ・・・そろそろ私のライフはゼロよ?


こんなに旦那が絞られているのを嫁はさぞかしニヨニヨ見ているだろう・・・と思い嫁のほうを振り返ると、

見てなかった。


イヤホンをしてスマホを一生懸命に覗きこんでいた。


― お前・・・何しに来たん?


再び丁寧にゆっくり弾かされ、各部をチクチクと補正されていく。


  


しばらくすると音程がずれるようになってきた。
それを耳で聞いて補正するが、なぜずれるようになってきたのか理由がわからない。


― んー? つかれてきたかぁ?


先生 「そうやって音程補正してるでしょう?」


私 「えぇ」


先生 「指おろしてから補正するんじゃなくて、補正が必要なら次からは一発でやらんと。」


私 「??」


先生 「調弦ずれてきてるんですよ。」


私 「!!」


先生 「耳では気づいていて、補正しようとしてるけど、なんでずれて来てるのかわかってなかったでしょ?」


そして、私からバイオリンを取り上げる先生。


先生 「今日は調弦私がやりますね。


orz


屈辱の先生調弦。
右手が荒れ過ぎていて調弦をちゃんとできないと判断されたというわけだ。


  


結局、この日はゆっくり一音一音丁寧に弾く というのに終始した。


先生 「音を捨ててはいけません。」


先生 「一音一音に神経注ぎながらゆっくり丁寧に弾いて来て下さい。」


曲想になど全く踏み込まなかった。
踏み込むところまで全く届いていなかった。


ただ、この日、一回だけデュエットで合わせてくれた時に思った。


― これは・・・作ってきた曲の方向完全に間違えてたな・・・


次回へのヒントは得た。


しかし、何にしても1回目のレッスンは惨敗である。
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通奏低音合わせ 03 ― 十分 ―

アンサンブルの通奏低音合わせが終わった後、私は先生と通奏低音奏者二人と4人で、ソロ曲の通奏低音会場に移動した。
もっとも、会場と言っても普段レッスンが行われている教室である。

一時間弱の移動の後、とりあえず楽器やら何やら荷物だけを教室に置いた後、教室近くのインドカレー屋さんで皆でランチタイムとなった。

スパイスの効いた料理を突きながら、改めて自己紹介をして四人で他愛もない話をする。また、私がブラックチキンとかいう何だか良く判らない珍しいものを頼んだので、それをきっかけにしてお互いの食べているモノを交換しあったりして急激に距離が縮まった。

あとで分かることだが、このランチを共にした事は非常に大きなプラス要素だった。


   


「緊張しぃ」にとって「打ち解けている」という状況は非常に安心材料となる。

私だけかもしれないが、楽器の素人にとってプロの奏者による伴奏、特に馴染みの無い楽器の伴奏者というのは少し「怖い」印象がある。恐怖というよりは尊敬の念が大きいので、畏怖という感情が入っていると言ったほうが正確だろうか。コンサートなどで外野として見てる分には特に感じないが、伴奏者として自分と関係性が生まれると「こんなに下手っぴで怒られへんかな」という様な感情が生まれる。

伴奏者として当日だけ来てもらい会話らしい会話も無いままじゃあリハ・・・という流れだと、よく解からん人が横で弾いているという状況になり、ある意味「コイツも敵」という認識になる。
それは緊張を増進する材料となる。

それが、たとえ30分ほどだけでも、一緒に食事をして会話を楽しみ、食べているものを交換すると、とても「仲間意識」のようなものが芽生える。これが『伴奏者を他人認識しない』事につながり、『この人は味方だからダイジョブ』となってむしろ緊張を和らげる


   


結果的に通奏低音合わせは全く緊張しなかった。
そして、思っていたよりもずっとちゃんと弾けた。

第1楽章と第2楽章は、これと同じことが本番当日できれば十分という状況。
待ちたいところでちゃんと待てているし、伴奏を聴いてハメるところはハメに行けている。(当社比)
特に第2楽章は、これだけ間がとれたらホールの音響の中ではもっといい演奏ができそうだ。

ただ、第3楽章は「やっぱり」転ぶところが出てくる。ちゃんと弾けるはずなのだが、心の奥底に曲に対する苦手意識のようなものがあり、演奏が硬くなってしまってる。楽譜のレベル的にみても3曲中で最も難しくないし、一番弾き込みをしている。しかしその苦手意識のせいで指がもつれたり変なところで弾き間違えたりしている。
しかし、それは「想定の範囲内」の崩れ。


― 十分だ。


これまでの発表会前日の状況と比較しても仕上がり度は段違いだと思える。
ヴィオラを弾いた後の慣らしゼロ状況でこれなら明日の本番は心配ないだろう。


後は、どれだけ緊張せずにいけるか。
集中できるか。


― 明日が楽しみ


後は、当日リハと本番を残すのみとなった。
やれるだけのことはやった。

この半年、特にヴィオラをはじめてからの4ヶ月、確実に上手くなってきている実感がある。

楽譜の認識速度は随分向上した。
左手の指も格段によく動くようになったし、右手の自由度が向上したという自覚もある。
何より「弦楽器を弾いていることの特別感」が無くなった。

いつも通りなら十分。
後は心静かに本番を迎えられる事を願うばかりである。

Lesson85(後編)-枷-

第二楽章。

こちらも、とりあえず最後までは通る。
テンポがゆっくりなだけあって、今のところ最もマシな状態にある。

しかし、家での平均的パフォーマンスからの落差はある意味もっとも大きい。

自分で言うのもなんだが、家では時々初心者のレベルを完全に超えて弾けていると思える時がある。なんというか、声で歌っている時と感覚的に違いがない感じで弾ける事があるのだ。
それも、偶然でなく、ちゃんと認識してやっている。

しかし、今は単に弾いただけ。
やりたいことが全く投入できていない。


先生 「ふんふん・・・まぁまぁ・・・」

私 「うーん・・・なんか・・・うーん・・・」


この曲が一番納得がいかない。
なんで弾けないのか理解できない。

実は、今回ヴィヴァルディをレッスンで見てもらうようになって、3つの楽章の中では先生の前で通せるようになったのが最も早かったのはこの第2楽章である。最も早かったというか、一発目でいきなり通った。

しかも、その時は家で練習している時よりもパフォーマンスが良かった。
それは先生の伴奏で和音を感じながら弾くことで、音程や曲想が安定したからだった。


言い忘れていたが、今回の発表会のソロ曲はピアノ伴奏ではなく、通奏低音による伴奏がつくという豪華仕様。
当然、通常のレッスンで毎回通奏低音を呼べるわけではないので、先生がヴィオレレ(=ヴィオラをウクレレのように弾くの意)で通奏低音っぽい感じで弾いてくれている。
初めて先生の前で弾いた時はその伴奏との「絡み感」に手応えを感じていたのだ。


しかし、今はまったく逆。
先生の伴奏を聞くことで情報量が増えてしまっているのか、何故か「処理が追いつかない」という状況。伴奏のテンポ内で弾くことに全ての神経を持っていかれる。

しかも、それはここ最近のレッスンではずっとその状況なのだ。
家では歌うように弾ける(当社比)のに、レッスンに来ると通すだけでもギリギリ。

家では自由に弾くだけではなく、メトロノームで厳しくテンポ管理しながら弾く練習もさんざんやっている。
今弾いているテンポより速いテンポでも練習してもゆとりをもって弾けるのに、何故か伴奏に急き立てられる。


私 「なんかね、流れてる時間の感じ方が家と違うっていうか・・・」


先生 「ふんふん」


私 「家でやってる時はもっとこう、一つの音の認識時間が長いというか・・・密度が高いというか・・・」


先生 「ふんふん」


私 「いや、遅くなっていてるとかは前に指摘されたんで、メトロノームとかでやってるんですけどね・・・なんかこう・・・んーなんだろう」


先生 「じゃあ、ちょっとこの辺からもう一回やってみましょうか」


   


そして弾く。


― あれ? なんか、ベラボウに弾きやすい??


伴奏がやさしい・・・とでも言おうか。
家で弾いている時の時間の流れにかなり近い。

ものすごく遅くなって行っているというわけでも無さそうだが、やりたいことが投入できる。
先ほど弾いていたのとは雲泥の差だ。


これなら納得が行く。
でも、何故なのだろうか。何が違うのだろうか。


先生 「どうでした?」


私 「家でのパフォーマンスにかなり近かったかも・・・」


先生 「そうなんでしょうね」


私 「ぇ?」


先生 「演奏にあわせて私がちゃんと待ってあげたんですよ。今回は」


― なんだとー!!


先生 「いま、すごいゆとりが生まれたでしょう?そしたら出来る事一杯ありましたよね?」


私 「はい・・・」


先生 「はじめから待ってあげるとね、それが前提になってしまってアカンのですよ」


私 「・・・」


先生 「これでゆとりが生まれたと思ったのなら、私の思惑通りです。」


楽しそうに笑う先生。


― やられた。わざとやってたのかよ・・・


ここ2ヶ月くらい毎回、何でこんなに2楽章弾くのが辛いのだろうとずっと疑問に思っていたのだ。


私 「それ、あれですか?漫画とかで良くある重りつけて戦ってたみたいな・・・」


先生 「そうね」


私 「まさかこれを外す時が来るとはな・・・的な・・・」


先生爆笑。


先生 「バロッカー養成ギプスですな」



見事にしてやられた訳だ。
しかし、二ヶ月に渡って伴奏で密かに縛っておくとは、なんというドSか・・・。


   


さてこの後、3楽章も通したのであるが、こちらは予想を上回る乱れっぷりで「98%減」くらいな感じだった。
それでも、なんとかかんとか最後まで押し切ることは押し切った。


第1楽章:集中出来るかが全て。見せ場を楽しみたいところ。
第2楽章:普通に弾けたらそれで大丈夫。通奏低音合わせが楽しみ。
第3楽章:頑張れ。とにかく頑張れ。イキロ・・・

今の状況はこんなところだろうか。
実は楽譜的には3楽章が一番なんてことは無いハズなのだが・・・。
まぁ、一応通して弾くだけなら弾けるだろう。たぶん。


さてさて、泣いても笑ってももう本番まであと僅か。
どの曲も「自分を失わずに」弾けたらちゃんと弾けるわけで、ほとんどメンタルの問題。
後は身体をケアしておくとか、よく寝ておくとか・・・なんかそう言う事の方が大事な気はしている。

Lesson85(前編)-時間の密度-

久々に最新レッスン模様も紹介しておきたい。

10月28日、日曜日。
発表会まで後ちょうど一週間というこの日、発表会に向けた最後のレッスンを受けた。
都合、85回目のレッスンである。

普段ならフリマリーに始まり、カイザーで散々いじめられしっかりと基礎を見てもらった後で曲という流れが定番なのだが、流石に最後という事で冒頭から発表会曲でお願いした。

曲をたっぷり見てもらいたいという事もあるが、加えて実はもう一つ狙いがあった。
それは、家以外の環境で慣らし運転なしでイキナリ弾く場を作っておきたいというものだ。


今回の曲も例によって背伸び曲と言える。
だが、長く練習していることもあり、しっかりバイオリンを弾ける状態に慣らしてからなら、ミスタッチほぼゼロで落ち着いてやりたい事をしっかり盛り込みながら3楽章通して弾ける所まで持って来れている。かつ、現時点でまだ調子としてピークではない。今回は神降臨に頼っていない。
本番までもう少し調子を上げられそうな予感もある。

だが、それでも足りない。
持ち前の緊張しぃもあるのだが、今回は発表会の最中にヴィオラとの持ち替えという中々に素敵な不安要素が待っている。出番はバイオリンが先なのだが、リハーサルがある事を考えると、当日に何回も持ち替えがやって来る。
だからなるべくそれに似た状況で弾いておきたい。

そんなわけで、レッスンに向かう直前までヴィオラを弾き倒しておき、レッスン開始直後に慣らしゼロ状態でイキナリ曲を弾くという、ある意味本番当日よりもハードな状況で弾くというわけだ。


   


第一楽章。

なんとか通るには通った。

しかし、高速パッセージで指がもつれるし、要らない弦を触ってしまう。
待つべきところ、ためるべきところ、丁寧に弦を掴みたいところで流れてしまう。
しかし、「予想した範疇の」崩れ具合。


― まぁ・・・こんなもんやろな・・・慣らしゼロやし。


そして先生から幾つかアドバイスをもらう。
その多くは過去にも指摘されたもので、演奏中に「認識していたにも関わらず」かつ「家ではできるのに」出来ていないというものだった。しかも別に緊張をしていたわけでも上手く弾こうと気負った訳でもないのに弾けなかった。

やはりヴィオラから持ち替えた直後は、崩れが大きい。
楽譜を読み取ってから指の運動に変換されるまでの時間や移弦の微妙な角度の違いなどで、その補正に脳の処理能力を一定量割いているからなのか、パシッと弾ける時に比べて集中のレベルが2段階くらい低くなっている感じがするのだ。


先生 「まぁ、でも前回よりも随分とよくなったんじゃないですか」


私 「うーん・・・これで、でも9割減ってところですねぇ」


先生 「ほぅ・・・それはそれは・・・頑張ってる感じですな」


私 「最悪、本番で9割減になっても死なない程度まで持ってきてる感じですね」


失敗するのは別に構わない。
しかし、このままだとなんだかすっきりしない。
失敗成功ではなく、今弾いた感じと同じ状態で本番なら納得が行かないことは確実だ。


   


「楽しめていない」から・・・とでも言おうか。
もう少し踏み込むとすれば、曲を「感じられていない」からという事になる。


演奏中に感じている時間の流れが家で弾いている時よりもずっと「薄い」というか「短い」というか・・・そんな感じがするのだ。パシッと弾ける時は、それなりに早いテンポで弾いている時でも一つの音にかけている時間を長く感じているのだ。楽譜を読み取って体の動きに変えるまでの速さ、指を降ろすおろし方、弓の置き方動かしはじめ方・・・ものすごい密度で情報処理と命令処理を行なっている事を認識できるのである。それ故に時間の流れを凄くゆっくりに感じているような状態になるのだ。

でも、今レッスンルームで弾いている感じは凄く「上滑り」している感じで、密度が薄い。
流れていく音楽に必死で喰らいついて音を並べる行為にただただ必死なのだ。

上滑りした状態では、たとえミスタッチゼロでちゃんと弾けたとしてもきっと納得がいかない。それは博打であり、偶然弾けたに過ぎないし、自分が何をどう弾いたのか覚えちゃいないだろう。


おそらく集中力の問題ということになるのだろうか。


家の練習で通しをやる時に、時々「今回は間違える気がしねぇ」と途中でハッキリ思うことがある。
そういう時はただ弾けるだけじゃなく、一音一音全部ゆとりを持って丁寧に弾ける。何よりも楽譜の読み取り速度がぜんぜん違う。何もかもがすごい「ゆっくりして大丈夫」な感覚。

バイオリンと直結しているような感覚とでも言おうか。

例えば我々はがお箸を使うという行為を思い浮かべて欲しい。お箸でご飯を食べるという行為をよく考えてみると、実はとてつもなく高度な制御が手先で行われている事が解る。だが、それを普段意識することは無い。箸でものをつかむ時にいちいち右手指の動き一つ一つを意識している人などいない。かつて、幼少の頃我々は親から箸の持ち方を教わり、動かし方を意識的に会得するところから始まって無意識で可能な行為に落とし込めているのである。しかし、勝手に動いているわけではない。何をどの強さでどうつかむのかということを思っただけで手の方で勝手にそれを制御している。
これが、お箸と直結している感覚である。

それと同じで、バイオリンを弾くという行為がひどく手数の少ない状況になることがある。
普段は左手と右手に対して意識的に細かい命令を送らないと弾けないため、単位時間あたりに脳が意識して処理すべき事が多いため曲が早くなるにつれて、処理がオーバーフローしていくため時間がとても短く早く感じられてしまう。だが、この直結状態の時は、楽譜を見た瞬間にもうどの指をどこにどう降ろして、右手がどの弦のどの辺を弓のどの位置で弾くかが一瞬で自動的に決まっている様な状態になる。
処理能力が余るため、時間もゆっくり感じられるし、左手はビブラートする気になるし、右手は音の最後まで制御を残し続けられる。焦って次の音に進まなくても「間に合う」と何故か確信できるため、待てるしタメられるし走らない。


大体その日の練習時間にも比例しており、その日の累積練習時間が4時間を超えたあたりから出現率が高くなる。
逆に6時間を超えるとそれ以降はほぼ出ない。


私はバイオリン歴がまだまだ浅く、体がバイオリンを体の一部のように認識してくれるまでに時間を要するという事なのだろうか。そして、ヴィオラとバイオリンを持ち替えると、そのリンクが切れて、またゼロから接続しないといけない様な感じがしている。


どれだけさっさとバイオリン脳を作って集中状態に持ち込めるか。


今回の発表会の勝負どころはどうやらそういう所なのである。

Lesson45(前編)-心機一転-

― 10月2日


今日から新しいレッスンがスタートとなる。
そう、先生が独立して初めてのレッスンなのである。。

先生にとっても、この日が独立後の最初のレッスンである。

いわば独立記念日。


そんな新たなる門出であるにもかかわらず、私はといえば丸三日バイオリンを触ってない状態でレッスンに向かうことになってしまった。どうにも、最近は練習の習慣が体から離れてきてしまっていて危機感を感じている。

今回からは、先生が毎週金曜日にライブをやっているワインバーの2階が新たなレッスンルームとなる。

10分ほど早くレッスンルームに着いたが、二階に上がる入り口がどこかを知らないことに気づいた。そういえば、何度もこのBarに呑みに来ているが二階に上がるのは初めてである。


予想していたよりもずっと奥にあった階段を見つけて二階に上がると、こじんまりとした部屋の中で、前の生徒さんのレッスン中だった。私より1年くらいバイオリン歴が長い人だが、かなり難しそうな練習曲を弾いていた。

普段なら「見学」とばかりにレッスンを観察するのだが、今日は何故かそう云う心境にならない。
それには、この場所を「ワインBar」と認識してしまっている私の心が影響しているのだろう。いつなら飲みに来ているハズの場所である。そのために、どういうわけか「レッスンに来ている」という認識を心がしておらず、飲みに来ているような錯覚をしてしまっていた。そうして、ぼんやり他人ごとのようにレッスンを眺めていたのである。

前のレッスンが終わってもまだ、ぼんやりと座っていた私に、先生がジェスチャーで行動を促す。


先生 「(バイオリンセッティングしてくださいよ)」


私 「あぁ・・・」


― さて・・・と、調弦するか・・・って、あれ?


私 「うぉ・・・チューナー忘れた」


バイオリンを始めて1年と3ヶ月少々、過去にレッスンで忘れ物をした記憶が無い。
今日は朝からバタバタしていてギリギリで準備をしたため、色々と忘れ物が多い。あろうことか財布や家の鍵すら忘れて出てくるという始末であった。


さて、何故そんなにバタバタしてしまっているかという理由を説明しておこう。


   


実はこのところ、5年以上前に所属していたアカペラグループに期間限定で復帰している。
そのアカペラグループは10月16日に予定されているイベントに出演することが決まっていたのに、メンバーの一人が仕事の都合か何かで出演できなくなってしまった。そこで「今から練習して何とかなりそうで暇そうなやつ」という感じの理由で私に白羽の矢が立ったというわけである。

しかし、バイオリンの練習時間がなかなか取れないということはアカペラの練習時間もそうそう取れない。大体、声にはミュートをつけることも出来ないし、サイレントバイオリンのようなものを用意するというわけにも行かない。そもそも私の声はバイオリンよりも大きいし通るので、早朝や夜中に練習する事はバイオリン以上に不可能なのである。そんなわけで、結局、週の中で声を出せたのは今朝が最初だった。


そして、今日、バイオリンレッスンが終わった後にアカペラの練習があるのだ。
バイオリンは個人の趣味だから練習不足だとしても先生に嫌味を言われる程度で済むから良いとして、そのアカペラグループは大阪のアカペラ界ではそれなりに名が通っており、あろうことかそのイベントではトリを仰せつかっているという。考えるまでも無い優先順位により、朝から猛烈に歌の練習をして何とか形にして時計を見たら出発しなければならない時間の5分前だった。


― やべぇ・・・今からレッスンやのにバイオリン一ミリも弾いてない


テンパった私は何故か一度バイオリンをケースから出して、セッティングした。


― ちがう!こんなことしてる場合じゃない。準備準備。


そういうわけで、色々と行き届いていない準備となったのである。


   


「じゃあ、耳で442Hz取りましょうか」


という激しい制裁が加えられると予想したのだが、意外にも先生は優しく、つるつる板(先生はタブレット端末のことをこう呼ぶ)にインストールされているチューナーアプリを貸してくれた。


調弦を済ませてレッスン開始。


・・・の前に、練習していないことがバレるのを少しでも先延ばしするために、雑談を持ちかけるという悪あがき作戦に出る。



私 「そうそう、弦替えたんですよ」


先生 「やっぱり?」


1週間ほど前にWondertone(Pirastro)という弦に替えた。
私は本来はVision Titanium Soloを張っているのだが、Wondertoneに張り替える前はたまたま繋ぎでHelicoreという安価な金属弦を張っていた。そして、Wondertoneにしたことで、嫁でも弦を替えたことが客観的に判るほど音色が変わった。先生に判らないはずがない。


先生にバイオリンを渡して試してもらう。


先生 「うん。良いですね」


私 「前のビジョンとどっちが良いですか?」


先生 「私はこっちの方が好きやね」



しかし、先生は弓と楽器を見つめて首をかしげている。


私 「ぇ?何か?」


先生 「・・・・」


無言でバイオリンの駒付近の弦をいじる先生。


私 「ぁ、まだ松ヤニ付けてないです」


先生 「逆です。塗りすぎ」


私 「!!!」


なんというヤブヘビ。

雑談により怒られる時間を先延ばしにする牛歩戦術は失敗だったか。


バイオリンを返してもらってようやくレッスン開始。


続く。
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プロフィール

ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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