Camp Ariruma (04)-初アンサンブル-

アンサンブルの練習曲は全部で5曲。楽譜は事前に配布されている。

ありるまさん、キキさん、チワワさんが用意してくれた沢山のアンサンブル譜の中から、私のような初心者でも何とか太刀打ちできそうな曲を選んでもらった。その内の何曲かは、さらに初心者に優しくキキさんが編曲をしなおしてくれたという至れり尽くせりっぷりである。


さて、場や楽器のセッティングが終わっているものの、『どこに座ったらいいか』が解らず譜面台を持ったままウロウロする。


事前にパート決めを行っていないのである。
合唱であれば、音域や声質から自ずとパートが決まる。合唱におけるパートの違いは、持っている楽器が違うのに等しい。だからこそ可能な分別なのであって、今回のように嫁を除けば全員がバイオリンという状況下では自動的にパートが分けられることはない。さらに、主旋律パートが簡単で他パートは難しいとか、またはその逆であるとかが一概に決定づけられるわけでもなく、レベルによる振り分けを行えば良いというものでもなさそうだ。

パート振り分けについては、家で合宿の曲を練習するときにも「どのパートを練習して行ったら良いか」という問題に当然直面した。散々悩んだ挙句、結局わからないので『全曲全パートを練習していく』という力技に出て、問題を先送りにしたのである。


キキさん 「とりあえず、譜面台は適当なところにおいて、人が移動すれば良いです。」


さすがにアンサンブル経験者。
言われたとおり近くにあった椅子の前に譜面台を置く。

ふと見ると、キキさんの譜面台にはなにやら人形のような物がぶら下がっている。


― なるほど、ごっちゃになっても後で分かるようにしてあるのか


合唱の世界では譜面台を使うことは基本的に無い。両手が空いているから手で楽譜を持てば良い。全員が日常的に譜面台を使う世界ならではの工夫に思わず感心してしまう。


見渡してみると、他にも"魔女の宅急便のジジ"のぬいぐるみが抱きついている譜面台がある。なるほど、アンサンブル経験者とそうでない人が一目瞭然というわけだ。


― キキさんの譜面台にジジが抱きついてたら完璧やったのに


全然関係の無いことを思いながら、座る場所を物色する。

端っこはまずい。あそこはコンマスとか偉い人が座る場所だ。
初心者同士が隣り合うのもまずい。きっと崩壊の連鎖が始まってそこだけ異空間とかになる。

それぞれの間でそういう暗黙のやりとりが合ったのか無かったのか・・・なんとなく全体的にうまい具合に座れた様な気がする。


   


最初に弾く曲は『Nearer My God To Thee』に決まった。
タイタニックが沈む直前に楽団が演奏したと言われている曲。映画タイタニックでも船が沈みゆくシーンで使われていたためご存じの方も多いだろう。涙腺刺激系の曲である。
私はこの曲をレッスンでもやったことがあるのだが、今回の楽譜はキキさん編曲による3パート編成。

8人を端から2・2・3のグループに座り位置で切って分ける。そしてパートは各グループで持ち回り。つまり、1stから3rdまで必ず一回は弾くというわけである。


― 全パートやって来ておいて良かった・・・


さて、一人笛参加の嫁はどうしたか。
最初は本気でピープー笛で参戦するつもりだったらしいのだが、誰かがせめてリズム取りくらいはしないとアンサンブルが成立しないという話になり、恐れ多くも指揮者役を仰せつかる事となった。


こんな事もあろうかと、指揮棒を持ってきていたので嫁に託す。


指揮者と言ってもさすがに即席で振ることは難しいし、その前にたとえ嫁が指揮を振れたとしても、この場にいる多くはアンサンブル初体験であるため指揮を見ながら弾くというのは無理がある。よって、指揮棒で譜面台をカチカチと叩いてリズム取りしながらアンサンブルすることになった。


これで、ようやくすべての準備が整った。


カチカチカチ・・・「イチ、ニ、サン、ハイ」


♪~


人生初のバイオリンでのアンサンブル。
自分が全然弾けていなくても、隣の上手い人に乗っかってるだけで弾けた気になれる。

全体のハーモニーを聞く余裕など全くもって無いが、なんとか付いて行くことだけは出来ているようだ。


アンサンブル経験のない人が多いどころか、バイオリン歴自体数ヶ月の人が自分を入れて3人。いきなり合わせてみたにしては、なかなか出来ている方ではないだろうか。空中分解してしまわないだけでもかなり上出来だと言えるだろう。


弾き終わると、嫁から全体へのアドバイス。


嫁 「ここの小節、セカンドパートだけが動いてて他が伸ばしてます。他のパートはしっかり聞いてあげましょう。そしたら、もっとテンポ感とかもそろってくるはずです。」


― お前、なかなか真っ当な事を言うじゃないか。


普段、一緒に合唱をやっているときは、私が指揮者で嫁は歌い手という関係がほとんどである。よって、嫁が音楽作りに対して積極的に仕切っている姿をあまり見ることはない。非常に的確な指摘をする嫁は私にも新鮮だった。

人間メトロノームくらいの立ち位置だと思っていたら、完全に指揮者然としている。伊達に20年近く合唱をやっているわけではないのだ・・・と思った。


その後も何度か弾き、全グループが全パートを経験してこの曲は終了。


   


次の曲は『Home Sweet Home』。『埴生の宿』の邦題で有名な曲である。
こちらも、「ビルマの竪琴」という映画にもなった物語で登場する曲。多くの人が聞いたことがあるのではないだろうか。

先程の曲と同じく3パート編成でキキさんによる編曲。


二曲目ともなると少し慣れてきて、ちょっとだけ周りを見渡してみるゆとりが出てくる。


そして、ふと気がついた。


ボウイングがそろっていない・・・それは当たり前である。
なにしろボウイングを決めていないのだから揃うはずがない。

しかし、よくよく観察してみると、歴が長い人同士は申し合わせもないのに割と同じボウイングをしている。きっと、長くバイオリンをやっていると、『こういう音形の時はこういうボウイングをする』という定石のようなものが分かってくるのだろう。

先を行く人と一緒に演奏をするのは何かと勉強になるものだな・・・と思った。
なんとか、そちらにボウイングを合わせる様に努めてみたがなかなか難しい。


この曲も全員が全パートを弾けるように何度か皆で通した。


そして、ここで一旦休憩となった。


続く。
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ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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