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第一回 脳内反省会議

本番は失敗した。


これで、次回の発表会のハードルはとてつも無く下がった。


あの大コケしたチキン


という、称号レッテルを獲得した事だろう。


先生方の期待値も9割8分引くらいになっただろう。
次回は音楽的にしょぼかろうが、つまらなかろうが、普通に音が並べられるだけでも「おぉ!今回は頑張ったやん!」って思ってもらえるに違いない。


期待されない身というのは気楽である。

この期待されていない状況の内に、せいぜい失敗を繰り返して場慣れしてしまおう。次失敗しても「またあいつか」くらいにしか思われないに違いない。そして、来年の今頃には場慣れして実力通りのパフォーマンスができるようになっているだろう。


さて、自分の『緊張しぃ』については付き合いが長いし、緊張によるパフォーマンスの著しい低下はある程度想定通りではある。それに対する今後の対策も対処法も決まっている。要は、回数をこなして場慣れするしかない。だが、今回は本当に緊張だけが原因で失敗したのだろうか。

今回について「緊張して事故って努力が水の泡になった」という悲劇の主人公を演じるのは簡単であるが、緊張で実力が出なかったにせよ、その中でもう少しまとめられたのではないか。


リハーサルの事故死でビビって、1楽章が「つまらない演奏」になったことはまぁ仕方がない。
初の発表会でのリハであれだけ見事にコケておきながら、本番では一応ミスタッチがほぼなく1曲を弾ききったのだから、『よくまぁ持ち直したなぁ』と言えないこともない。実力が9割減だとしても「初回としてはまぁそんなもん」というラインには踏みとどまっている。


問題は2楽章である。
「話にならない」という所まで落ちたというのはいただけない。


私は学生時代、指揮者として立った舞台のリハで同じように「演奏が落下する」というのを経験したことがある。その時も「信じられないようなイージーな場所」で落下した。その時は、本番では緊張感が「良い意味で」増加して、結果的には問題なく演奏することができた。最終リハでの落下は本番でのマイナス要因とは限らない。


2楽章が「全く弾けなかった」というのは「そもそも弾けない」からであって、事故が原因ではない。今回の事故は油断が原因である。しかし、事故だったのなら「油断」をしなければ本番では緊張がプラスに働くはずだ。

だが、今回は「そもそも弾けない箇所がある不安」があった。そして、それよりも遥かにイージーな場所で失敗した。だから「こんなところですら落ちるなら、普段成功率が低いところでは絶対失敗するに決まっている」という不安心理の増幅により全体崩壊に至った。


その不安要素の根底にあるものを洗っておきたい。


失敗を繰り返さないためには分析である。
断っておくが、今回ここに記す内容は原因分析であって決して言い訳ではない。
言い訳では・・・な・・・


『な・・・泣いてなんていないんだからねっ!!』



今回は「大失敗」と呼ぶのに相応しい結果であるが、それだけに多くを学んだ。
三十路にして、これだけの失敗を経験できる場というのはそうそう無い。
ラッキーだったと思うことにしよう。


さて、今回は「反省文」なわけであるから、面白くないとは思う。

だが、此処に書いてある事と同じことを「しなければ」、私のような大コケをすることも無いだろう。これから初舞台を踏むのだと云うレイトスターターの方がおられれば、是非、「参考にせず」逆のことをしていただきたい。



   


要因その壱:『準備不足


今回の発表会の失敗要因の最大の理由は「準備不足」にあったと思う。
「練習不足」という意味ではない、私の練習時間が勤めを持つ社会人として決して少ないものではないことは、自他共に認めるところである。「準備期間」がそもそも足りなかったこと、「着手」が遅かったという事である。そのため、一日あたりの練習量はそれなりに確保していたが、曲にかけた時間の総量が不足していた。


今回「エックレス」だけでも手一杯の状況にも関わらず、私は合奏曲も抱えていた。
・・・にもかかわらず、7月に入るまでは普段の課題曲もこなしていた。


アレもコレも手を出したいのは私の悪い癖だが、今回はうっかり手を出したものが悪かった。合奏メンバーが口をそろえて「キツイ」と言った今回の合奏曲である。正直な所、合奏だけでもお腹いっぱいで胃もたれしそうなくらいキャパシティーをオーバーしていた。エックレスも単体でキャパシティーをオーバーしているのに・・・である。

どちらも事前にレベル感や規模感を把握出来ていなかったので仕方がない面もあるが、初参加の発表会に絡めて合奏にも参加すべきかどうか、もう少し冷静に判断しておく必要があったことは確かだろう。

また、今回は「発表会に参加すること」に目的になってしまっていて、曲のレベルとの関連性や練習計画をまるで考えていなかった。いつくらいまでに音をとって、いつまでにどのラインにしておきたいのか・・・全く考えていなかった。ある程度簡単な曲なら問題ないのだろうが、そもそもオーバースペックなものに短時間でトライするには無計画すぎた。


同じエックレスに別の編曲でトライして、同じくらいのバイオリン歴で見事成功を収めたrauloopさんは準備期間が3ヶ月もあった上に、そもそもそのスタート時点で「だいたい弾けていた」らしい。初めての伴奏合わせは発表会の2ヶ月以上前というから驚きだ。もっともその話からすると、バイオリン歴9ヶ月目にして既にエックレスのソナタが弾けていたという事になるから、そもそも私とは「デキが違う」という気もする。

一方、私は楽譜を初めて見た時点で2ヶ月を切っていた。辛うじて通せるようになったのが本番の10日ほど前。先生との合わせでは結局満足行く形で合わせられなかった。結局、2楽章については先生のビオラがどんなふうに絡んできているのか、ほとんど聴くことなく終わってしまった。それでは失敗しても当然という話である。


本番での奇跡に期待して、勝率の低い賭けに出て、順当に負けたという当たり前の結果が出た。


ただそれだけのことである。



ところで、同じように「無謀とも思える曲」に手を出して成功する例というのは世の中にいくらでもある。社会人が「100%満足な練習時間」を確保できないという条件は同じであるにもかかわらず、レイトスターターが時として子供顔負けの驚異的な成長を遂げるケースがある。
もちろん才能も有るのだろうが、多くの場合、そういった人は非常に計画的で効率的な練習戦略を持っている。私のブログ友達で言えば、rauloopさんやヴェーヌさんなどがそうだと私は勝手に思っているのだが、お二人とも他の楽器での経験値があることもあり、目標の定め方とそこへの向かい方が実に理にかなっている。そして、確実に結果を出している。


子供にはなく、大人だけが持つ武器というものがある。
「計画性」や「先読み」、「目標設定能力」などなど・・・それは、他の分野で得た経験から来るものだが、そういったものを上手く活用できた人だけが楽器を「モノにする」ことが出来るのだろう。ものすごく仕事が出来る人が、実はゴルフもプロ級だったりするということは良くある。「そういう事」なのだと思う。

その「大人な力」を使わずして、闇雲に時間だけを注ぎ込んでも壁を超えられない。「レイトスターターらしい」演奏のまま終わるか、「レイトスターターとは思えない」レベルにまで行けるか・・・そのヒントがこのあたりに潜んでいる気がする。


今回、私は真逆の事をやった。
何の見通しも立てず、無計画に時間だけを注ぎこんでガムシャラに練習した。
そして、結局「時間が足りない」という状況に追い込まれて行った。


40%位の確率で「通せる」とかいう「神頼み」のような状態で本番に立っても良い結果になることはない。
あまりにも準備不足だったと言わざるを得ないだろう。



   


要因その弐:『根本的な実力不足


そもそもエックレスのソナタを弾けるだけのテクニックの下地がなかった。


今回の発表会の為に、3重音・スピッカート・3rdポジション。3つのテクニックを一月半ほどでマスターしなければならなかった。先生の判断ではこれまでの成長曲線から「行ける」と踏んでいただいていたようだが、結局、期待に応えられるほど伸びることが出来なかった。特に私は「ジメッ」とした曲が好きなため、早い曲を弾くモチベーションがそもそも低く、スピッカートの習得意欲が余り湧いてこなかったという事も影響した。


加えて、通常の課題でも遊びでもAllegroクラスの速さですら「16分音符の嵐」というヤツを経験したことが無かった。それが今回の2楽章ではテンポ指定はPresto。Prestoは「急速に」とか「極めて早く」とか云う意味だが、要するに「バリッバリ早い」ということだ。メトロノーム的なテンポでいうなら176前後ということ。

私が16分音符を「まぁ弾ける」速さはテンポ80位である。その倍以上。
もちろん176とかは不可能なので110~120を狙っていたのだが、それでも1.5倍。


指を鍛える良い練習にはなったが、本番で披露するレベルまでは到底到達できなかった。


不可能なテンポと指の動きに無理やり対応するために、これまた力で押さえにかかっていたため、手が痛い。今の左手の押さえ方では、速度の限界点があまり上げられないことを痛感している。速弾きに対応するためには、左手の握り方を根本的に改善する必要があるだろう。



さて、こうして見てみると「そら無理やろ・・・」と読者の全員が思ったことだろう。
3rdポジションも、スピッカートも、3重音も、速弾きも、「やったことすらない」状態でそれらが必要な曲に挑んだのである。

例えて云うのならば、これから戦場に向かうのに丸腰で出発して「武器を拾いながら」向かったようなものである。「そら死ぬやろ」と言う話だ。ただでさえ準備期間が足りず無計画だった上に、武器も持っていないのであれば戦に勝てるハズがないのである。


持っている武器で戦える戦場を選んで戦うべし。


・・・とは言え、戦場のように本当に死んでしまうわけではないので、本人のメンタルがどれだけ失敗しても折れないほど強いのであれば、失敗を繰り返しながら「少年ジ○ンプ的な展開」により5年後はかなり強いのかもしれないが・・・。


   


要因その参:『愛情



発表会の打ち上げで、ソロで本番に立ったほぼ全員が「やりたい曲が出来て大満足」というような事を口にしていた。これには衝撃を受けた。


私は全く逆で「あてがわれた曲を失敗した」のである。


あてがわれた・・・というとすごい語弊があるように聞こえるが、事実として私が今回、エックレスのソナタをやることになったのはかなり受動的な流れだった。「発表会に出ることが目的になっていた」というのがあり、選曲についてはこだわりが全くなかった。「先生が選んでください」というスタンスだったため、先生が提示してくれた曲をそのまま受け入れた。


「どうせやりたい曲じゃなかったんだよね・・・」とかいう、負け惜しみが言いたいのではない。そこに非常に重大な要素があったことを、終わってから気付いたのである。


それは「曲への愛情」というものだ。


皆、「この曲のここがやりたくて・・・」とか「Youtubeで聴いてやりたいと思って」という能動的なモチベーションからスタートしている。よって、あちこちトチろうが間違おうが、自分が弾きたかったフレーズが成功すればそれなりに満足だし、弾けただけでも嬉しいということにもなるだろう。

なにより練習を早くに開始して、しっかり自分のものにするという段において、「自分がやりたい曲」というモチベーションは非常に重要だという事に今回気づいた。

エックレスのソナタを先生が提示して弾いてみてくれた際、1楽章はわりと気に入ってやりたいと思ったが2楽章はそうでもなかった。嫌いでもないが、好きでもない。「まぁ・・・かっこいいね」くらいにしか思ってなかった。1楽章が弾きたいから、まぁいいか、ついでに・・・くらいの「甘い」発想でスタートした。その「おまけ感」はずいぶんとその後の練習スタンスに影響しており、発表会の1ヶ月前くらいまでは、音取りもちゃんと終っていない状態だった。気に入った1楽章の方はと言えば、楽譜をもらったその日に早速音をとって弾けるようになった。この差は大きい。もちろん、2楽章も弾けるようになってくると楽しくはなってきたが、「これがビシッと弾けるようになりたい!」という憧れのような感情は無かった。練習の後半、「弾けるようになりたい」ではなく「弾けるようにならなければ」という義務感に支配されていた。それはレイトスターターのアマチュアバイオリニストが始めて立つ舞台としてはタフすぎる設定だった。

「どんな曲でもちゃんと弾けないと・・・」という話もあり、私も前はそう思っていた。だが、こちとらレイトスターターのアマチュアである。好きな曲かどうかということが練習やパフォーマンスに与える影響は大きいのだということを痛いほど学んだ。「どんな曲でも弾きこなして、本番で一定の結果を出す」というステージは遙か先のことで良い。


特に、舞台に慣れない間は自分が死んでも弾きたいと思えるほどの曲を持ってくるべきだと知った。


   


要因その四:『調整ミス


実はピークが発表会の4日前に来てしまっていた。
発表会の4日前、「神降臨」の日があったのである。

エックレスのソナタから合奏まで全曲通して弾いてもミスタッチがほぼゼロ。音程も安定していて、レガートで弓が吸いつくかと思えばスピッカートでは思うように弓が跳び、音量調整も自在。楽譜もスルスル頭に入って来て自分でも落下する気が全くしない・・・そんな日があった。

他の部屋にいた嫁が「今日、すごい調子ええな、音がぜんぜん違う」とわざわざ言いに来る程だった。
確かにこの日は、バイオリンを始めてからで見ても最高のパフォーマンスだった。この日が本番だったらどれだけ良かったことか。

だが、仕事の都合でその次の日が練習出来ずに終わり、そこから発表会までは調子が下る一方だった。
そして、なんとかもう一度調子を上げて本番時にピークを持ってこようと焦った私は、発表会の前日と前々日の2日間だけで合わせて16時間バイオリンを触っていた。


冷静に考えれば解る。

「それは普通、故障するでしょ」・・・と。


本番直前は体を休めておかないといけないということは、スポーツの世界なら常識だろう。(プロの世界では毎日のように試合があったりするのでその限りではないだろうが、オリンピック等のアマチュアの大きな大会に出る想定という意味で・・・)


結局、本番には「疲れきった状態」で立つ事となった。
プロならともかく、初の発表会でその状態で実力を発揮できるハズがないと言うものである。


そして、問題がもう一つ。
私は好調の日と不調の日の差が激しすぎる上に、そのリズムを自分で把握できていない。スポーツでも何でも、本番直前に「最高」が来てしまうと本番ではピークを過ぎているというのは定番であるが、「このペースで行けばいつくらいに山が来るか」という事を予測できない。予測できないのに調整が出来るはずがない。


自分のリズムを知り、本番直前には飛ばし過ぎないということが大切なのである。



   


「準備不足」

「実力不足」

「愛情不足」

「調整失敗」


まぁ、これだけ要因が揃っているなら、失敗して当然なんじゃないだろうかと思えてきた。

闇雲にガムシャラに練習すれば弾けるというものではない。

よくもまぁ、こんな無謀な状態で本番に立てたものである。

これは「起こるべくして起こった失敗」だ。



リハーサルでの1楽章の事故にしても、「運悪く」ではない。

事故死する直前までは、緊張を制御できていたのだ。

緊張で事故死したのではなく、「油断」で事故を起こした。



何故、「油断」を産んだのか。


出だしのワンフレーズ、確かに舞台の神様は私に味方してくれていた。

だが、出だしが上手く行き過ぎた。


「思ったとおり」の良い音なら油断も何も無い。それが「普通」の事なら油断しない。

「思ったより」良い音だったから、舞い上がって油断した。そして事故死のきっかけを作った。



運が悪かったのでもなく、緊張しぃの性格が悪かったのでもなく「やり方が間違っていた」のだと解る。


曲を知り、曲を愛す。

そして、自分を知る事。自分のペースを知る事。

その上で「いつまでに」「どうしたいのか」を決めておくこと。



次の発表会に向けてはどうしておくべきか自ずと見えて来ようというものである。


絶対、タダで転んでなんてやるものか。


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プロフィール

ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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