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続 楽器探しの旅(01)-壁-

先週の土曜日。2011年2月5日。


この日は散歩がてら楽器の試奏に出かけた。


最近、疲労の蓄積を自覚している私としては、この日は「丸一日寝てやろう」くらいの気持ちでいた。
ところが、前の夜、嫁に肩をほぐしてもらったら嘘のように楽になった。そして、朝から3時間程バイオリンを練習し、さらにお茶をしに出かけようという気になったのである。

せっかく休日の昼間に外に出るのであるから、どうせならついでに楽器屋の一軒でも冷やかしてみようという訳である。


ネットで楽器屋を二つほどピックアップする。


私 「天満橋と心斎橋どっちにする?」


嫁 「両方行ったらええやん。」


選択しないという男前な嫁の意見に乗り、まずは家から近い方、天満橋の楽器屋に行くことにする。


   


電車に揺られて天満橋へ着き、少し迷ってから目的の楽器屋に着いた。

「楽器屋」と書いたが、着いてみると「工房」という感じである。
遠目にショーウィンドウにみえていた部分には楽器が陳列されておらず、代わりに「手打ちそば実演」の様な感じで、楽器の制作が通りに面して大っぴらに公開されていた。


中では数人の職人が木を削っていた。
どうやら今はチェロの本体を削っているところらしい。
脇を見ると、まだニスが塗られていない、削っただけのバイオリンが置いてあったりする。
製造途上のバイオリンやバイオリン族の状態を見るのは初めてで、ワクワクする。
しばらく職人達の作業に見入っていた。


しかし、中にいる人達は声をかけてこない。
「工房」メインで販売はしていないのだろうか。

だが、奥のほうを見るとバイオリンがいっぱい並んでいるように見える。
親方か店長か判らないが、少し「エライ感じ」の人と目が合ったが無視された。他の店員だか職人さんだかも全員こちらをひたすら無視している。

いわゆる、私がバイオリンを始める前に抱いていた「バイオリンのお高いイメージ」を体現したかのような空気感をこの工房は醸し出していた。この工房にもバイオリン教室が付随しているようだが、もし、最初に門を叩いた教室がここだったら私はバイオリンを初めていないかも知れない。


― お前のような新参者はウチには来るな


そう言われた気がして、店に入ることもなくその場を後にした。


嫁 「ここは無いなー」


私 「あぁ。売る気無い感じやもんな」


嫁 「ウチら、かまって厨やもんな


激しく同意するが、嫁はこう云う"某掲示板"用語を往来で大声で言わない方が良いだろう。
念のため説明しておくが「かまって厨」とは、別の言い方をすれば「かまってちゃん」とかそういう表現になるだろう。要するに人にかまって欲しくて仕方がない人間のことを小馬鹿にする表現である。

そして、嫁の言う事は正しい。
私も嫁も「かまって厨」である。

日用品ならともかく、少し大きな買い物をする場合、店員を気に入らない限り商品が良くても買わない。逆に少々高くても、気に入った店員がいる店で買う。店員が私たちに「どう素敵に絡んでくるか」、それが我が家の購入モチベーションのかなり重要な要素を占めている。そういう意味では前に笛を買いに行った際の女性店員は、中々に良かったと言えるだろう。


   


一軒目が思わぬ不作に終わった我々は、時間を持て余した為、徒歩で心斎橋に向かった。


途中見つけたパン屋でパンを買い、嫁のパン評を聞いたりしながらも、私は胸の内で先程の工房の営業スタンスについて想いを巡らせていた。


店を構えている場所も店構えも非常に良かったし、その場でバイオリンを造っているというのは非常に興味をそそられた。しかし、最終的には店に入る気が起きなかった。お店との間にとてつもない壁を感じたのである。


きっと、あの工房は通りに面して作業場を公開しているだけに、道行く人がバイオリンに全く興味がなくても覗き込んできたりするのだろう。そして、大半はバイオリンを購入することはない。だから、イチイチ相手にしてられないのだ。

私もエンジニアだから自分の作業中にイチイチ周りを気にしてられないという気持は解らなくもない。しかし、「それなら公開などしないでおけば良いのに」と思ったりする。玄人やお得意様しか相手にしないつもりなら、通りに面しているどころか、マンションの上の方の階に店を構えていても問題ないのである。「一般人」に間口を広げる気がないのであれば、ショーウィンドウに作業を陳列する意味などないのではなかろうか。

興味本位でうっかり覗いてきた「一般人」を上手く釣り上げてバイオリンを初めさせて客にする。そういう想いがあってショーウィンドウにしているのではないのだろうか。私の周りでも「いつかやってみたいかも知れない」という人は思いの外たくさんいるのである。

まして私は今、バイオリンが欲しくて欲しくてたまらない人間である。購入に向けて真剣に店をめぐっている。いわば、喉がかわいてカラカラの状態なのだ。

そこに、自分が作ったバイオリンについて熱く語られたりした日には、うっかり買ってしまうかも知れないのである。あの工房はその「買う気まんまん」の客を逃した。


そう思うと非常に残念でならない。


「それならば、自分からガツガツ店に入っていけば良いじゃないか」と、思われるかも知れない。


しかし、私は「かまって厨」。最初にどのように声をかけてくるかというのは、非常に重要な店の査定ポイントとなる。目が合っているのに無視してくるお店では商品が良くても買う気になれない。この工房が作業の公開などしておらず、ショーウィンドウにバイオリンが並んでいるだけだったなら、外からは店員の態度がわからないので、逆に店に入って行ったことは間違いないのである。


私の持論だが、「見ているだけ」の客は自分からわざわざ店員に目を合わせに来ることはない。なぜなら、「放っておいて欲しいから」である。店員とは物売りのプロであるから、声をかけられて褒められているウチに買う気も無いのに服を買ってしまうようなことがあるのである。それを避けるためには、店員に「声をかけられない」ことが第一なのである。

私はあの工房の前で、わざわざ構ってほしそうなオーラをプンプン出していた。



「寒いから、よかったら中にはいってゆっくりご覧になりませんか?」



この一言で、生まれる出会いも世界もあるだろうに・・・


そう思って残念なのである。


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ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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