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撃沈

昨日は初の発表会だった。

結果については、タイトルの通りである。


撃沈


一応、最後まで行くのは行った。
だが、「通ったか?」と言われればNO。
バイオリンで、いや、人生でやってきた音楽活動の中でかつて経験したことが無いほどの醜い舞台。

あちこちのバイオリンブログを読み歩いているが、これほどの失敗談を目にした覚えはない。
もしくは、これほど失敗したらその日を境にブログとともに楽器をやめてしまっているのかもしれない。


本番の演奏は惨憺たるものだった。
正直思い出したくもないが、こうした「失敗談」を喜び勇んで公開する人は少ないだろうし、自分自身への今後戒めとしての意味も込めて、ここに深く刻みこんでおこう。


1楽章は予定していたアドリブを全て廃止。
繰り返しを譜面どおりさらって、「通すためだけのつまらない演奏」をやった。

2楽章。
弓の制御が不能。
跳ねまくって暴れる弓を押さえられず、いくつもの音を飛ばし、瞬間的な落下と無理矢理の復活をしながら強引に「最後まで行った」だけの演奏。


点数は0点。
自分なりにここは良かったと思えるポイントゼロ。
最低の演奏だったと言えるだろう。

よくもまぁ、ここまで失敗できるものだと思う。


   


ここ最近「新しいシチュエーションでの人前」の場数を踏んでいなかったので、生来の「緊張しぃ」をなめていた。


・・・とは言え、当初から緊張しっぱなしでガッチガチだったというわけではない。リハーサル開始時点では「適度な緊張」をきっちりキープできていた。また、朝のウォーミングアップの結果は良好、3回くらい通したが落下率はゼロ。それどころか「予定していないアドリブを放り込める」という余裕っぷりだった。

会場までの過ごし方というか、心の持ちようも合唱の経験から言って完璧な状態だった。
この分で行けば、本番の緊張にあたったとしてもそこそこ行けるのではないか・・・そう思っていた。

リハ直前に許された音出しの時間で軽く2楽章を弾いたときも、嫁に「音デカイわー」と言われていた。デカデカと音が出ているのは鳴っている証拠。この日は好調だったのである。


しかし、崩壊のトリガーが引かれたのはリハーサル時だった。
リハーサルとは言え他の出演者達が客席に座って聴いている。こう言った身内の発表会では、本番での観客の9割以上は出演者と相場が決まっている。リハは本番と緊張感がほぼ変わらない。


私はリハーサルのスタート時、悪い緊張はしていなかった。
むしろ、その緊張を楽しんでいる状態にあった。


1楽章は譜面通りなら余裕。
完全に暗譜しているし、調子に応じてアドリブを放り込める。

2楽章はまぁ通ればいいや・・・くらいに思っている。


― 大丈夫。モガの音をしっかり聴いてもらおう。


1楽章で「聴かせて」、2楽章は「勢い」で乗り切る。
そういう想定で臨んでいた。変な気負いもない。


― 最初の2音が勝負。そこさえ綺麗に聴かせられたら後は歌える。


そう、冷静に考えながら音のイメージを作って演奏を始めた。


最初のフレーズ、自分的に緊張下としては最高のスタートを切った。
ぷるぷるもなく、音もそんなに外れていない。今の実力で出せる最大の伸びやかな音が出た。


― いける!


そう思って、そのフレーズの最後の音を「聴いてしまった」。多分、目をつぶってしまっていたような気がする。そこで、完全に油断した。家で自由に弾いている時のレベルにまでリラックスしてしまった。


そして、不幸は突然起こった。


其の次のフレーズ。
初見段階から一度も失敗したことの無い音で突然落下した。


― ぇ?


失敗確率ゼロの音で落下し、パニックに陥った。


前半部で過去に落下したことが無いため、復活ポイントの想定がない。
そもそも、1楽章で落下すること自体がここ最近は全くなくなっていたため、「落ちる可能性」を考えていなかった。


そこで、完全に音楽停止。


シーン・・・・


会場に控えている他の参加者の「あちゃー・・・」という心の声が聞こえた気がした。


これで心が折れた。


リラックス状態から反転、一気に不安と恐怖心と緊張が押し寄せて、心神喪失状態に陥った。
10数年ぶりの「危険域」の緊張。呼吸が危ない。


先生 「もう一回やりますか?」


完全に停止している私に、先生が冷静に次のアクションを促す。
そう、リハーサルの持ち時間は一人2分しか無いのである。


私 「ぁぁ・・いや・・・・本番は大丈夫ですから


確か、そんなことを口走ったと思う。


観客爆笑。


観客 「なんでそんなこと言えんねん!!」


もっともなツッコミだ。

「本番は頑張ります」とか他に言い方は無かったのだろうか。これだけコケておいてどの口が「大丈夫」と抜かすのだ。


観客には「失敗したのに余裕の態度で客と絡んでいる」という風に見えたかもしれない。
だが、実は私はその時、沸き立つ観客とは裏腹に文字通り「倒れないこと」と戦っていた。

私の「緊張しぃ」はかつて病的なレベルだったことは既に紹介したが、あるラインを超えると自律神経が暴走して危険な状態になる。ヘタをすると酸欠で倒れるのだ。


― 克服したと思ったのになぁ・・・


徐々に緊張が膨らんでいったのと異なり、リラックスからの反転でトップレベルの緊張に陥ったため受け止められていないのだろうなぁ・・・と何故か心のどこかで他人事のように考えていた。



― たてなおさんでエエ。とりあえず、この場を流せ。どうせ、もう今日は良くても3枚目だ。


私 「とりあえず、1楽章もう一回。前半だけ・・・」


先生 「弾くんかい!」


― 突っ込むんかい!


結局、前半部だけをもう一度だけ弾いた。
今度は落ちることは無かったが、もはや「綺麗に曲を弾く」意識など全く無い。

落下の可能性を一切考えていなかった曲で、リハで初めて落下したという恐怖。
目標が「失敗しない」ことだけに絞りこまれてしまった。


― 緊張したら弓落としそうになるってホンマなんやな・・・


震える手で、途中弓から何度も小指を落としながら。必死で弾く。
もはや、何の音なのか不明なほど狂った音で弾く。


そして2楽章。
爆速でスピッカートで飛ばしまくる曲。
当然、力が抜けていないと弓も飛ばないし、そもそも硬いと速く弾けない。

緊張で体が固くなりすぎて、開始1小節で落下。


― あぁ・・・もう今日はあかんなぁ。。。


この時、もう早くこの場が終わってほしいとしか考えていなかった。


   


そして本番直前。

前の人が演奏している間、袖で控えてその時を待つ。


リハーサルがつつが無く終わっていたなら、今頃どんな気持ちでこの場に居ただろうか。


ワクワクしていただろうか。

やっぱり緊張していただろうか。

少なくとも、こんな『処刑を待つ囚人』のような気持ちでは無かったに違いない。



そんなことを考えていると突然、左の肩甲骨の下から左脇腹にかけて痛みが走った。

いわゆる「ツっている状態」になった。


― おぃおぃ・・・とことんやな・・・


状況の悪化具合に、苛立ちや悔しさを通り越して笑いすら込み上げてきた。


この1週間にバイオリンを弾いた時間は、レッスンを含めると30時間弱だった。普段の約3倍。
正直、手や体のあちこちが痛かったのだろうが、本番前の「気合」というやつで押さえ込んでいただけだったのだろう。一回「折れた」事でそれらが露見し始めている。


過ぎたるはなお及ばざるがごとし


先人は上手いこと言ったもんだ。


痛みに対抗している内に緊張は治まってきたが、体は硬いまま。
もはや、身体的にも精神的にもバイオリンを演奏するという状態にない。


― まぁ・・・しゃーないな。1回目やし、ある程度、予想してたことやからな・・・。


   


そして、本番。
冒頭の通りである。

この日の本番の演奏の一位を決めろと言われれば迷うところだろうが、ビリを決めろと言われれば満場一致で私の演奏だということになるだろう。


嫁評。


9割減


そして、


あんな音、聴いたこと無い


暴れる弓をなんとか鎮めようとして弓を押さえつけていたため、ぎりぎりギコギコ・・・きっと壮絶な不快音が鳴り響いていたことだろう。1年にわたって私のバイオリンの音をさんざん聞いてきた嫁にして「過去最悪の音」。


終わった後、心のなかでバイオリンに詫びた。


― ごめんなぁ・・・ホンマはお前、ものすごいエエ音で鳴るのになぁ・・・。ごめんなぁ。



ちなみに、同じく出演していた嫁は全出演者中のトップバッターにも関わらず堂々としたパフォーマンス。
緊張でピリピリしている場を、リコーダーでピロピロ癒すという「仕事」をした。


全出演者の中で、おそらく唯一「エンターテイメント」を意識していた。


嫁の目は初めから観客を向いていた。
自分が失敗するか成功するか、上手くやれるかどうか・・・ではなく、「楽しんでもらえるかどうか」「笑いを取れるかどうか」だった。発表会に参加すると決まった時から「自分が上手く」ではなく「場をどう崩すか」が目標だった。見事、その目的を果たしたのである。


― すげぇな・・・。


全てが終わった後の嫁の感想。


嫁 「なんで曲紹介とかせぇへんねやろ?」


私 「・・・・」


嫁 「だって、何の曲とか知らんかったら楽しまれへんやん」


自分の演奏で精一杯だった私はそんなこと考えたこともなかった。

嫁はあくまで客目線。
嫁にとってこの場は「発表会」ではなく、最初から「演奏会」だったというわけである。


嫁 「次から自分でしゃべろかな


心臓の毛、分けてもらえんだろうか・・・。


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comment

Secret

おつかれさま

聴いてもないのにこんなこと言うのはなんだけど・・・
不本意な演奏かもしれないけど、聴いている人からしたらそんなにヒドイ演奏ではなかったんじゃない?
私も大ゴケしたよ
自分の限界を超える速さで、失速することもできずに・・・
いつもの1割でも弾ければじゅうぶん!
年々緊張度が強くなります・・・あそこは別世界です
ぷぃぷぃの旦那はよく頑張ったと思うよ!おつかれさま^^

お疲れさまでした♪

私も撃沈しました~。
しかも弓の毛の張り具合が弱くて、弾き始めて「えっ!?」って焦ったら、
間違えた事のないところで落ちました(笑)
でも、今はあんな演奏でも参加してよかったと思ってます。

しばらくはいろいろ思う事もあるかと思いますが、まずは心と身体を休めてくださいね。

リンク、ありがとうございました♪

No title

発表会、お疲れさまでした!
多少の程度の差こそあれ、発表会の感想は
皆そんなもんみたいですよ。(笑)
私も2週前でしたが、大撃沈でした。
この曲弾いててここまで酷いのは初めて!?っていうくらい。
で、何故ここで??、な指が縺れたことさえない場所で
落ちました。。。自分で驚いてパニック!!
今回はかなり弾きこんで臨んだつもりだっただけに、
「私のこの一年、なんだったの??」と相当凹みました(^^;)
私も緊張しいなんですが(特に人相手。入試とかは全然平気)
この緊張しい、なんとかならないですかね~(笑)
とにかくお疲れさまでした。
大丈夫です。また次がありますよ(^^)
私も次、また頑張ります。

お疲れ様でした

心中、おさっしいたします。
次回に向けてまた頑張ってくださいませ。
発表会未経験の私にはこんな事しか言えません。
自分の発表会がとっても不安になりました・・・

おつかれさま

お疲れ様でした。
随所にぷぃぷぃ虫さん”らしさ”は出てましたよ!
伝わるものは伝わってます。

緊張は、教室の3ヶ月に1回の発表会フルで出てたら
みるみる慣れますよ♪
正確には、緊張するけどなんとかねじ伏せて弾けます。
偉そうに言ってしまってごめんなさい。

最後に、、

>私 「ぁぁ・・いや・・・・本番は大丈夫ですから」

これ皆笑った理由違いますよ。
声でか!って思いました。
普通の出演者は打ち合わせの内容は全く観客に聞こえないので(笑)

Re: おつかれさま

智和さん

こんにちわ
あたたかいお言葉、ありがとうございます。

智和さんも大ゴケの経験がお有りなのですね。
私は今回については、「止まらなかった」という一点以外は滅茶苦茶でした。
ひどすぎて、みんなもどう慰めて良いか判らん・・・みたいな(笑)

先生からは「うん。押し切ったね!」って言われましたし、まぁ・・・今後に期待って所です(苦笑)


Re: お疲れさまでした♪

happy tiggerさん


こんにちわ~。


本番が終わって、ドッと疲れました(笑)
ある程度上手くいってたら、逆に元気が出るんでしょうけどね~。


本番では何が起こるか判らない・・・とはよく言ったもんですね。
ほんと、本番には悪魔が潜んでおります。
何でも無いところで、失敗したことが無いところで落下するのが本番なんですねぇ。


とりあえず、左手をしばらく安静にしないとヤバい感じですので、数日はちょっとペース落として練習しようと思います。


相互リンク、ありがとうございます。
これからもどうぞよろしくお願いします。

Re: No title

りょうさん

こんにちわ~。
励ましのお言葉、ありがとうございます。

そして、りょうさんも発表会お疲れさまでした。
まさにそれ、指が縺れたことさえない場所で・・・何でもない場所で私も落ちました。
パニック仲間ですね(笑)

努力が報われなかったというのは辛いものですね。
なんだか全てを否定されたような気分になります。
私は本来、失敗や逆境に強く出来ているタイプなのですが、今回はどういうわけかダメージが大きく自分でも驚いています。2日経った今も、発表会当日の事を考えると体が緊張状態に入ります。変なトラウマを作ってしまわないように、今、色々と対策を考えているところです。

りょうさんのその「緊張しぃ」な感じ、私と同じですね。
私も対人だけが駄目です。試験系は平気。かつては試験系も駄目な時代がありましたが、それは克服して、今ではむしろ本番で奇跡を起こすタイプです(笑)

これだけコケておいて、私が云うのもなんですが、「緊張しぃ」はなくなりはしませんが克服は可能だと確信しています。

限定的にであれば我々のような「緊張しぃ」でも対処可能だという実績を他の分野で自分で体験しています。私はこれだけの緊張しぃでありながら、合唱の世界では指揮者をやっていたりします。指揮者といえば、本番だけでなく普段の練習からして人前にさらされる人種ですから、本来は「人前に出たがり」がなるものです。合唱界全体を見渡しても私ほどの緊張しぃが指揮者をやっていることは珍しいようです。我々のような緊張しぃでも分野を絞れば慣れることで緊張を飼い慣らすことが出来るようです。きっとバイオリンでも緊張に負けない日が来ると思っています。


お互い、悔しさをバネに緊張を味方に付けられるよう頑張りましょう!

Re: お疲れ様でした

エメラルドさん

こんにちわ。
不安を煽ってしまってすいません。
「私に続け!」って出来たら良かったんですが・・・。
不甲斐なくて申し訳ないです。

なるほど、皆さんがあまり失敗談をブログで詳しく紹介しないのは、続く人に不安を与えない配慮でもあるのですね。勉強になります。


根拠はありませんが、エメラルドさんは大丈夫だと思います。
私ほどのコケ方はそうそうするものではありません。今回の発表会、私の同門の生徒さんの中で大コケしたのは私一人でした。何度か発表会を見に行っていますが、それでもここまでコケた人は見たことがありません。結構な大事故だったんです。教室の歴史でもここまで崩壊したのは私が最初ではないでしょうか。

私が挑戦した曲は、本来バイオリン5~6年生がやるような曲です。
成功すればヒーローですが、失敗したら「そらそうやろ・・・」っていう話なんです。

さらに、今回の失敗は「偶然」「運悪く」起こったのではないことが、冷静に後から考えてみるとわかります。詳細は現在執筆しておりますので、それを読んで頂ければ、私が失敗するべくして失敗していることがわかります。



だから大丈夫です。
同じ轍を踏まなければまず大丈夫です。

ぜひ、頑張ってください。

Re: おつかれさま

rauloopさん


ぐぉ・・・実際に聞いていた人の登場・・・。
こんにちわ。


私の演奏は忘れて下さい。
いや、その前に、むしろ全力で罵倒してください。


「このチキンが!」と。


ぁ・・・それは先生にもう言われましたけど。


とりあえず、慣れですよねー。
初回なんで「まぁ、コケるやろ」とは思ってましたが、あそこまでコケるとは思いませんでした。

私は合唱の方では指揮者なんぞやってますが、緊張を克服するのに2年ほどかかったので、今回も気長にやろうと思います。おそらく、「大丈夫」になるまでの間は、私の本来の音楽は出てこないと思いますので、それまでは「お笑い番組を楽しむような気持ち」で眺めておいてやってください。


ところで、そのにじみ出ていた「らしさ」とやらは、「菊正宗」的な意味でしょうか?
・・・だとしたら、意図したものとは全く正反対なモノが出てしまっていることになりますが(笑)


声のデカさで笑われてたんですね~。
まぁ、この際、どっちだって良いですが、まだ場が笑いになってよかったです。
深刻な場になったら全体の雰囲気悪くなりますからねぇ。
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プロフィール

ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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