スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

1年付き合ってみて想うこと

モガとの付き合いも一年を超えた。

そして偶然にも、時を同じくしてモガについてコメントをいただいた。
どうも、「モガ」「バイオリン」で検索するとこのブログはわりと上位に表示されるらしい。それは、このブログが超人気ブログという訳ではなく、単にモガの情報が少なすぎるからだと思われる。

ちなみに我らがマイナー教本「マイアバンク」で検索すると、私のブログか、同門である「鋼のかっぱえびせん」さんのブログがトップ2になってしまうことが良くある。なんともマイナー路線まっしぐらな私である。


   


さて、良い機会なので、モガを一年弾いてみた感想というか所感のようなものを、素人ながらに語ってみたいと思う。ついでに、楽器の選び方の様な話もしたい。私はこの価格帯のバイオリンについて、「素人なりの意見」は案外重要だと思っている。

どのような局面で重要なのかというと、レイトスターターが自力でバイオリンを購入する際に参考にする「口コミ」として働く場合である。そして、既にその楽器を使っている人の「生の感想」というのが結構少ない。

あっても、「素敵な音です」とか、「すごく気に入ってます」とか「愛してる」そういう曖昧な主観的感想が多い。


あなたのバイオリンは恋人か?ペットか?

・・・と言いたい。


皆、自分の楽器には愛着があり一番可愛い。
よって、「長所」「短所」を客観的に評価することを避ける。


私はバイオリンは非常に科学的な楽器だと思っている。
バイオリンを弾けるロボットが登場する時代である。しかも、そこらのレイトスターターよりずっと上手い。
彼らにバイオリンへの愛情などあるはずもない。

音は科学であり、愛情によって直接的に変化はしない。



しかし、これだけ偉そうに言っておいてなんだが、


ウチのモガは女の子!」とか思う自分がいる。


もちろん溺愛している



なにか?



・・・とにかく、バイオリンを購入する時の客観的意見として参考に出来得る情報はそう多くはない。


   


一方で、所謂「プロ評」も参考にならない。

あらゆる楽器には「プロ評」というものがついている。
プロが弾いてみてその楽器がどれだけ素晴らしいかという事を書いてあったり、実際にその楽器で演奏したサンプルが載っていたりする。我々素人はそれを「ほうほう。そうかね。」と思って選ぶわけだが、果たしてそれは意味があるのだろうかと時々思う。


その楽器を「プロ評」と同じクォリティーで弾ける日など、絶対に来ない


絶対と言うと言い過ぎかもしれないが、レイトスターターがトップクラスのプロと同じレベルに到達できる可能性など、万に一つもないと思う。そんなに甘くはない。よって、「最高の腕の人が弾くとこうなります」という演奏サンプルや、プロの「弾いてみた感想」というのは、我々のようなレイトスターターでしかも歴が浅い者にとっては「いつかそうなったら良いな」という願望でしかなく、あまり意味のない情報なのではないかと思う。


さながらテレホンショッピングのダイエットグッズが如し。


   


目指す目標にもよるが、楽器のマックスパフォーマンスで選んで本当に良いのか。
それを問いたい。


レイトスターターで「あわよくばバイオリンで仕事を・・・」なんて考えている人などほとんどいないだろう。


たいていのレイトスターターは、こんな感じなのではないだろうか。


「出来るだけ楽ちんに」

「自分が弾きたい曲を」

「できるだけ短期間で」

「それっぽく弾けるようになりたい」


少なくとも私はそうだ。
バイオリンは弾けるようになりたいけど、「修行だけ」というのは持たない。

今は今なりに楽しめる楽器で有って欲しい。
ということで、最近では、試奏等をする際には次の様な自分なりの評価ポイントを持つようになった。


先に断っておくが、あくまでモガと同等クラスのバイオリンを、レイトスターター歴数年クラスの人間が評する場合の指標である。100万円以上するような楽器では時々、こんな屁理屈など全く意味をなさない奇跡のような楽器があるので、この指標は役に立たない。


   


1. スイートスポットが広い
初心者が楽しめるかどうかという意味で重要な指標。
具体的には、弓が多少真っ直ぐでなくてもそれなりに鳴るか。圧力が適切でなくてもそれなりに鳴るか。指の押さえ方が多少まずくてもそれなりに鳴るか。・・・という事になる。高い楽器程、スイートスポットが狭い傾向にあると勝手に思っている。
車で言うと、ハンドルがどれくらい敏感かという感じになる。敏感なハンドルは高度な取り回しが可能になるが、素人には危険極まりないというそういうイメージ。
ただし、このファクターは弦でもかなり変化する。


2. OKとNGがはっきりしている
1.と相反する指標だが、ある一定以上技術的に崩れていると「ちゃんと」鳴らなくなるか・・・という指標。1.は「楽しさ」の指標だとすれば、こちらは「厳しさ」の指標。
これが低すぎると、OKだろうがNGだろうが「ボヤッと」それなりに鳴る為、自分の弾き方が正しいのかどうかが判別できなくなる。よって、バイオリンを習得する上では重要な指標。


3. OKの場合にかなりそれっぽく鳴る
所謂「バイオリンが教えてくれる」というもの。
1. 2.は一見相反する指標に思えるが、本当に優秀な楽器は「スイートスポットがそこそこ広く」少々ちゃんと弾けていなくても鳴る。それでいて「これが正解」という状態の時に限って痺れるほどの美しい響きとなるため、「勝手に」正しい状態に人の側が矯正されていく。

過去に、Lorenzo Cassiという作家のバイオリンを試奏したことがあるが、左手も右手も「そこしかあり得ない」ポイントに吸いついていくという不思議な体験だった。ちなみに、お値段は360万円。


4. 楽器の個体特性が少ない
特定の音だけ鳴る、あるいは、鳴らないという特性がどの程度あるかという話。どの楽器にもある程度あると思われるが、安価の手作りものは個体特性が大きい傾向にあると勝手に思っている。
テクニックでカバーできるが、それは初心者には難しく、楽器特性に引きずられた演奏になる。また、常にテクニックでカバーしているとそれが癖になるため、宜しく無い。
ただし、一生、その楽器しか弾かないのであればあまり問題にはならないかもしれない。
初心者は試奏できる曲のレパートリーも少なく、あらゆるスケールやハイポジを隅々まで試せない場合の方が多いため、気づくのはかなり難しい。

ドイツなどの、所謂、バイオリンメジャーブランド国の大量生産バイオリンはこのファクターが非常に優秀で卒が無い。際立った個性も無いが、欠点が無いため初心者が選びやすい。


5. 高度な回避テクニックが必要となる欠陥が無い
ウルフやバリアがないか。特に1ポジでよく使う音で発現しているとかなりイライラする。
ただし、ウルフを欠陥と呼べるかどうかは微妙。高い楽器でもウルフが存在する場合はある。一説には良く鳴る楽器ほどウルフを保有しやすい傾向にあるという話もあるらしい。4と同じ理由で、初心者が初号機で見抜くのはかなり難しい。



   


さて、では、その基準に沿ったモガ評である。


1. スイートスポット:狭い
結構狭い。
弾き慣れていない人が弾くと鳴らない。自分でも調子がわるい日は全く入らない。
同門のrauloopさんにもシビアな楽器と言われたことがある。

また、日によって(おそらくは湿度や気温の関係で)ベストスポットが変化する。
モガのご機嫌が悪い日は余程人間側の調子が良くなければ話にならない。

私の調子の上下幅が大きいのは、このスイートスポットの狭さにかなり左右されていると思う。上の時は「俺うめぇ~」と思うが、下の時は「もう死にたい」と思う。「そこそこ・・・」な中庸の状態は少ない。

2. OKとNG:とてもハッキリ
1.の対極なので、相当はっきりしている。OKのレンジが狭いのが難点。
ワーシャルを張った日にはもう・・・。

3. OKの場合:とても鳴る
そのかわり、OKの時は鳴りまくる。
人とバヨの調子が良い日は永遠に弾いていたい。

4. 楽器の個体特性:大きいと感じる
大きいと思われる。
共鳴の開放弦がある音とそうでない音の響きの落差が大きいと感じる。全てのバイオリンは同様の特性を持っていると思うが、平均化を意識していてもレッスン中に落差を指摘されることが結構ある。

モガすべてがと言うより、私の個体のみである可能性もある。同門の生徒さんで、モガの別のモデルを持っている人がいるが爆音のイメージは無い。一度弾かせてもらったが、スポットの狭さは感じられなかった。
また、購入時にも下位モデルを試奏したが、スポットの狭さや爆音性能は感じなかった。

上位モデルほど、音色重視としてシビアな設計なのかもしれない。

5. 欠陥:C音にウルフ
A線1ポジ2指のドでウルフ。D線の5ポジ2指のドも同様。調整でかなりマシになるが完全には無くならず、しばらくするとまた起こるようになる。また、高音にバリア傾向があることを、先生に指摘されている。
腕の問題かと思って他の人の楽器で試してもそうならないので、楽器特性だと考えている。

ウルフは一般的なウルフ回避策で対応可能。バリアは毎日鳴らしていると解消してくるが、数日鳴らさない(練習しないという意味ではなくハイポジを積極的に使わない場合)と鳴らなくなる。


   


私の持っているモガは、良い楽器だとは思う。
私は音色を気に入っているし、調子が良い日の音はバイオリンを始めてよかったと思わせてくれるものである。


ポテンシャルはすごくある。良く鳴るし音色も良い。だが、癖が大きい。


一年経った今、そういう印象を持っている。


すでにバイオリンを弾ける人が「楽しむために」購入するにはすごく良いと思うが、ゼロから始める初心者が初号機として持つには、少しクリアすべきハードルが多い気はする。

例えば、私のようにマイアバンクでバイオリンを始めた場合、他の教本とは異なり、基本的にハ長調で基礎の基礎を習得する。その時にC音にウルフがあればいきなり壁にぶち当たる事になる。A線のドだけ指板側に弓を逃がすなど、バイオリン歴数ヶ月以内の人間には不可能な芸当である。
(私はマイアバンクを終了してある程度ボウイングを制御できるようになってからモガを購入している。モガが初号機だが、先生が選んだレンタルバイオリンで半年以上を過ごした。)

やはり楽器の個体特性が大きいというのは、初心者にとっては様々な弊害を産む可能性がある。
だから、もし今、ゼロからバイオリンをはじめる人がモガの最上位モデルの購入を検討しているのなら、私は慎重な意見を述べざるを得ない。

どうしてもモガの音が良いというのなら、「10万円以下クラスの日本製工業生産バイオリン」で最低限の技能を習得してから再検討しろと言う。つまり、エントリーモデルとしてはお薦めしない。


   


では、モガの上位モデルはどういう層に良いのかというと、大体以下の条件を満たす人になら積極的にお薦めしたいと思う。


・歴半年以上~5年目以内位のレイト
 (最低でも教本が1冊終わっていて、指板寄り・駒寄りを意識して弾けないと辛い)

・10万円クラスからの乗換で50万円以内で検討している
 (最初がレンタルだった場合も含む)

・バランスより、個性的な音色を重視する派
 (ねっちょり弾くのが好きなら超オススメ)

・とりあえず音量が欲しい

・練習時間がそれなりに取れて、マゾな練習に耐えられる
 (週10時間以上練習できるならスポットの狭さはあまり問題にならない)

・楽器の個体特性を個性として「かわいいヤツめ」と思える


レースゲームで言うと、タイヤのグリップが全然無くて、カーブでの安定性は悪い。足回りの制御が繊細すぎて怖いけど、エンジンはモンスターでトップスピードは馬鹿みたいに早いから、ドリフト完璧で速度落とさずに回れる中級者以上には神マシン。
きっと、そんな感じ。


最後になるが、これらはあくまで私の個人的な主観である。
モガはやっぱり良い音だし、購入する価値は十分にある楽器であると思う。

決して、モガをディスっている訳ではないので悪しからず。
むしろ、隅々まで理解していると思ってもらいたい。



さて、この長い長い文章を、オタク業界の言葉で一言に要約すると、こうなる。


モガは俺の嫁
スポンサーサイト

comment

Secret

お嫁さん(?)の紹介ありがとうございます。愛されているのがすごく分かります。カッシさんのバイオリンを試奏したことがおありなんですね、私は以前、他の方が試奏してたところ、横で聞いてましたが、過去最高だと思った素晴らしい音でした。国際楽器社はアフターが良いのですね、そういう店で買い物をするのは安心できますね。実は私は初心者にはもったいないくらいの楽器を既に手に入れているのですが、MOGAは惹かれました。買っちゃうともったいないんですが、欲しいな~と思っちゃいますね(笑)。次は、以前試奏して気に入った高価な弓が欲しいと思っていたんですが。

Re: タイトルなし

いさおさん

こんにちわ。
カッシもチェック済みとはさすがです。
あれは、桁違いでした。

初心者には勿体無いほど・・・まさかストラド・・・。
いつか、いさおさんの楽器を聴かせていただける機会があると嬉しいですね。
カレンダー
09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -
プロフィール

ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

バイオリン歴
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
RSSリンクの表示
最新記事
アクセスカウンター
ブログランキング
ランキングに参加しています
ポチッ!と応援お願いします

にほんブログ村 クラシックブログ ヴァイオリンへ
にほんブログ村

人気ブログランキングへ

リンク
バヨ友
バヨブロ友達
検索フォーム
QRコード
QR
レンタルサーバー
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。