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真 復活編01 -再会-

仕事が佳境を迎えていた4月下旬。
私はあらゆる状況を無視して5月の発表会への参加を強引に決めた。


しかし、バイオリンを弾くのは怖かった。

残酷な現実を知りたくない。

そして、1ヵ月という短期でリハビリをしながら曲を仕上げていくだけの練習時間を確保するのは正直きついだろう。


  

― いけるかなぁ・・・・


なにも知らなかった時代の本当の最初の一歩よりも、一度歩みを止めてしまってからの一歩のほうがきつい。

しかし、こういう時、どうやればその一歩を踏み出せるかも"おっさん"だから知っている。



ファーストステップを小さく、達成のハードルを下げる。



私が最初に設定したステップ。
それはバカバカしいかもしれないが、

「バイオリンをケースから出す」

これだけだった。



数か月の間、触れてすらいなかったバイオリンケースに目をやる。
部屋の片隅に立てかけたまま、半分忘れかけていたそれを手に取った。


― モガ・・・怒ってるかな・・・?


平安貴族がしばらく通っていなかった女性の元に久々に行く道中、こんな気持ちだったのかもしれないな・・・とか余計なことを考えながらケースを開けた。

バイオリン独特の木の香りが広がる。数ヵ月ぶりの対面だ。


― ちっす・・・お久しぶりっす・・・


ご機嫌をうかがうように、まずは持ち上げて眺めてみる。
あちこち薄汚れたり、金属部品が錆のように白くなったりしていて放置した期間の長さを感じさせた。


― やっぱり道具は使わないと劣化するなぁ・・・


弦が緩み切っている。


― よく駒倒れなかったなぁ・・・


慎重に少しだけペグを巻きながら思わず苦笑する。
これだけ緩んでいると調弦を普通にやるのがきついので、指で弦をはじきながらチューナー片手に大体合わせる。


― よし。とりあえず最初のハードルは達成・・・と。


ここでやめても良い。
もう、設定したファーストステップはクリアしたのだから。

でも、せっかく出したのだから一弓くらいは音を出しておこうかな・・・という気になってくる。
そうなればシメたもの。狙い通りだ。

ファーストステップを小さく低くというやり方のミソはここにある。

  

物の本で読んだが、どうやら人間の脳には「今やっていることを続けるのが好き」という性質があるらしい。

バイオリンを休止している状況での私の脳は「バイオリンをやっていない状態」をなるべく維持したい。だから、イキナリ一時間練習するとか、曲を弾いてみるという話になると色々拒絶反応が起こる。「今日はもう遅いから迷惑」とか「疲れてるからまた明日」とか脳が全力でやらなくて良いイイワケを考えてくれる

しかし、バイオリンをケースから出すくらいなら抵抗が小さい。
「まぁ、フタ開けてしめるくらいならいいか・・・」となる。

そして、眺めたり触ったりしている内に、今度はなんとなく「バイオリンを触っている状態を維持したい」と脳が思い始める。そして逆に「バイオリンを触るのを今すぐやめる」事が脳にとっては不快になってくるというカラクリだ。(と私は思っている。)

バイオリンに限らず、やる気がでない時、私はいつもこうやって自分の脳を騙す。

今回も狙い通り自分を騙せたようだ。


― とりあえず、調弦だけでもしようか・・・


そう思い、弓を張った。


― さて、どれだけひどいかな・・・


続く。
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ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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