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Lesson44(本編)-卒業?-

続くと言いながら、続きはいつ書かれるのか。


嫁にも「ひどい引き」と言われたが、我ながらひどい引きをしたものだと思う。
随分とたくさんの方から「バイオリンを続けているのか?」と心配をいただいている。

いい加減、書かねばなるまい。

それでは、最終レッスンの模様をお届けしたいと思う。


   


最終レッスンだから華を持たせてくれて、


先生 「一年ちょっとで随分弾けるようになりましたね~」


・・・なんてことが無いのが我らがスーパードSティーチャー坂本である。
レッスンは全く普段通りであった。


HRIMALY_111005-1s_E-dur.jpg


フリマリー『ホ長調 スケール&アルペジオ』でファーストポジションとハーフの両方で順番に弾かされるという拷問の後、フラットの嵐『変ニ長調 スケール&アルペジオ』。

同じ音階を、ファーストとハーフで連続して弾くと、こんがらがってぐちゃぐちゃになる。
その後で変ニ長調というこれまた音程が取りづらい音階。


HRIMALY_111005-2s_Des-dur.jpg


最近では♭や#がいっぱい付いている音階をチェックされることが増えてきた。


実は、レッスン記を書いていない間にフリマリーの『スケール&アルペジオ』は増えに増えて20パターン近くになっている。その中から毎回ランダムに2つか3つをチェックされるという相変わらずのスパルタ仕様である。
どれがチェックされるのか判らないので、全体を満遍なくやっておく必要があるのだが、なかなか脳内でパターンの切替が素早く出来ず「ホ短調!」とかいきなり言われてもサッと対応できない。


ちなみに、今のパターン数は先生のカリキュラム的には「1ポジ全部揃っている状態」らしい。本当は私が抱えているパターンよりも1つ少なくて良いそうなのだが、私の口が災いして「全部揃い+1」になっているのだが、その件についてはいずれ書くことにしよう。



この日はかなりフリマリーの1ポジスケールで絞られて、レッスン時間のほとんどを音階練習に費やした。
3の指の音程が安定せず、すこし高めに取ってしまうのを延々と矯正されていたのである。



その後は軽く、フリマリー『イ長調 1-3-5ポジスケール』。


HRIMALY_111005-3s_A-dur.jpg


信じられるだろうか。
バイオリンを初めて1年と3ヶ月。
まだ、サードポジションすら安定していないのに、何故か5ポジ。
しかも、1-3-5のポジション移動の練習がカリキュラムに入っているのである。


これが、面白いくらい全くできない。
どうも私は左手が強くネックを握りすぎているらしく、ポジションシフトがスムーズに行かない。


   


最後は、スピッカートの練習パッセージ。


HOHMANN_200.jpg


元の楽譜にはスピッカートは書いていないが、これをスピッカートで弾けと指定されている。
そして、これも面白いくらいにスピッカートができないのだが、それ以前の問題が発覚した。


一回弾き終えた私を前に、無言で楽譜の調号付近を指さす先生。


私 「ん?何か?」


先生 「・・・・」


更に強く調号を指さす先生。


私 「ぇ? ぇ? 何か間違ってました?」


先生 「ソのシャープはどこ行ったんですか?」



なんと楽譜を全く読み間違えていた事が判明。
イ長調なのに何故かソに付いているシャープを全て無視。


実は私が楽譜を適当に読んでいる事がバレてしまった。


   


こんな風に、全くいつもどおりにレッスンは行われた。
そして、レッスンの後、たまたま次の生徒さんがお休みだったので、1時間ほど先生と談笑した。


先生が買った新しい"つるつる板"(先生はiPhoneやiPad等のタッチパネル系端末をそう呼ぶ)で盛り上がってみたかと思えば、無料のチューナーアプリの性能を競い合ったり、いずれ弾きたい曲を先生に弾いてもらったり・・・とりとめのない時間を過ごす。



そして別れ際。



先生 「では、10月からよろしくお願いします。」


私 「ぁ、そうですね。よろしくお願いします。」



そう、バイオリン教室からは卒業するが、坂本先生から離れるわけではない。
先生が独立して教室を立ち上げる事になったので、教室を離れてついていく・・・というわけなのである。


驚かせてしまっただろうか。
いや・・・バレバレだったか・・・。


そんな訳でバイオリンはまだ続いている。

Lesson44(序)-卒業-

今月も残す所あと10日ほどである。
最後に記事を書いたのが8月22日だから、そろそろ1ヶ月になる。
その1ヶ月の間に、本州を直撃する大型の台風が二つも来ているのだから、今年はなんと災害に見舞われる年なのだろうか。


バイオリンは続けられている。
なんとか週に数時間の練習時間を確保しながら、レッスンに通っている。


腕のほうは一進一退・・・と言ったところだろうか。
正直ここ3ヶ月くらいは伸びている気がしない。

毎日練習できるわけではない。
よって平日に下手になった分を週末で頑張って戻して、ぎりぎり現状維持で耐えているというのが今の状況である。


   


さて、そんな中、3連休のど真ん中に44回目のレッスンがあった。

実はレッスン番号を冠する記事を書くのはLesson25以来、実に半年ぶりだったりする。
改めてLesson25の記事を読んでみると、ハ長調スケールの「気合のド」で小指が届かないという話題なのだが、半年が経過した今も小指は未だにちゃんと届かない。

ブログの記事が滞っているのは、単に忙しくて執筆する時間が無いという事だけが理由ではなく、こうした事情も要因の一つだったりする。


― 伸びていないから記事がマンネリ化する


私の成長が停滞期に入ったことで「同じ指摘の繰り返し」が非常に多くなったため、レッスンが前ほど躍動感あるものになっていない。・・・いや、躍動感あるものに「できていない」。

自分的に練習不足でレッスンに望んでいるため、レッスンのワクワク感が小さくなり、練習が行き届いていないことについての負い目というか、不安感というかそういうものが大きくなっている。

勿論、曲はどんどん新しいものが投入されているし、技術的に目新しいものが投入されていないわけではない。
だが「毎回すべてが新しい事ばかり」だった以前のレッスンとは異なり、音程の問題や弓の使い方など細かいことで「そうそう、そうですよね・・・言われると思ってました」みたいな事が非常に多くなり、レッスン記として書いても読み物として楽しくないということもあるのである。

先生の名誉のために言っておくが、レッスンがマンネリ化していて面白くないという事が言いたいのではない。立ち止まったり手戻りをしたりしているなりに、曲作りのことや歴史の話なども交えたレッスンで、依然盛りだくさんであることには変わりはない。

ただ、私が同じ所をぐるぐるとめぐっていて進んでいない気がするのである。
むしろつまらなく思っているのは先生の方だろう。



さて、『間を開けることで』久しぶりに新鮮な気持ちでレッスン模様を記すことができる、というもっともらしい言い訳が立ったところで本題に入ろう。


   


6ヶ月も沈黙をしていたのに、急にレッスン記を書くのにはもうひとつ理由がある。

どうしても、今回を記しておかなければならない理由。



今回のレッスンが「最後のレッスン」だからである。



このレッスンをもって、私はバイオリン教室を離れることが決まっている。



続く

Lesson25(後編)-劣化-

ホーマン193番・194番

結論から言うと、2つとも合格した。

先生によると、


あんまり落とし穴にハマらんからつまらん


という事だそうだ。
生徒が優秀に弾けたのに「つまらん」とはこれ如何に。
まぁ、先生としてはかなり上位の褒め言葉だと受け取っておくことにしよう。


193番の方は1小節単位でスラー、194番の方は弓が色々忙しいという違いはあるものの、どちらもイ長調で『8分音符で色んな動きが出来るようになりましょうね』というコンセプトらしき練習曲である。

私はフリマリーのイ長調音階練習はそれほど得意な方ではなく、どちらかと言えば苦手に分類されるのだが、どういうわけかこの二つのパターン練習はいたく気に入ってしまい、今回はこの2つに練習が集中していると言って良いだろう。

非常に細かく音のピッチの狂いを指摘された他は、特にツッコミもなく終了。


先生 「意外と早く終わりましたねぇ・・・」


ということで、時間が出来たので次の曲に行く前にやりたい事があるという。


   


先生 「ちょっとこれ弾いてください。」


といきなり、ずいぶん前に弾いた練習曲を示される。過去に合格した曲であるが、それ以来一度も弾いていない。まさかの『復習チェック』だろうか。

しかし、弾いてみると、間違えたりはするものの意外と弾けるものである。


先生 「ふーむ。再現しませんね」


私 「?」


先生 「じゃあ、これ」


フリマリー 『ト短調 スケール&アルペジオ』
HRIMALY_006_gmoll.jpg


― さっきやったがなー


しぶしぶ弾きはじめて、スケールからアルペジオに移行しようとしたその時、


先生 「よし。再現した!これで行きましょう」


私 「??」


先生 「この、最後のラがね、指がちゃんと戻れてないんですよ」


私 「ぁー・・・そうなんですよ。自分でも悩んでるんです」


どういう事なのか、少し詳しく説明しよう。

このト短調スケールの場合、下降音階で降りてくる時に最後から5つ目の音であるD-1のミ♭はいわゆる0.5の位置であるため、人差し指がぐいっと後ろに下がっている状態にある。その下がった状態から気合でG-4のレを取り、そこからG線上で4→3→2→1と下ってくるわけなのだが、問題はG-1のラである。

まずD-1のミ♭の時点で私は結構指を後ろに引いてしまうので、人差し指の付け根が指板の向こう側、糸巻き側に落ち込んでしまう。そして、その落ちた位置から次のG-4を取るためには手のひらをかなり指板に近づかないと届かない。つまり、G-4を取った時点でかなり指板を握り込むような形になっている。

そして、その縮こまってゆとりのない手の状態ではD-1からまず指が離れにくいし、さらにその人差し指をG-1にねじ込むのに割りと難儀するのである。よって、G-1が低めに入ってしまうか、押さえ方が不十分でおかしな音になったりする。

この事象を、私は「人差し指が入らない」と呼んでいる。


これはト短調に限ったことではなく、ハ長調などでもE-1のファからの下りの流れで、A-1のシが「入らない」ということが起こる。これは、バイオリンを初めて3ヶ月目位でハ長調スケールを習った時から、自分でも気づいている問題点であり、それ以降なんとかなめらかに運指ができないかと試行錯誤を繰り返している。

私がト長調や二長調のスケールが「苦手でない」というのは、運指の中にこの「人差し指が入らない」ポイントが無いということが大きい。


その『人差し指が入らない問題』をついに先生が指摘してくれたというわけである。


私 「なんか、わりと『スッ』と入ってくれる日と、全然アカン日があるんですが、今日は結構アカン日っぽいですね。入らないです。」


先生 「ふーむ。こっちに人差し指が落ち込んでしまってるんですよねぇ」


先生 「・・・かと言って、音が低いわけでもないからそれがダメというわけでもない・・・」


駄目な原因を分析する先生。


先生 「握り過ぎなのかもしれませんね」


私 「それはあると思います。」


左手の力の入りすぎは何ヶ月も前から自分で気になっているので、ゆっくりのテンポで練習するときは、『押さえすぎない』『握り過ぎない』ということを意識するようにしている。最近では多少はマシにはなったとは思うが、未だに「握ってしまっている」ことに変わりはない。
やはり、問題はそこなのだ。


先生 「もちろん、握るのは握るんですよ?でもそれと、人差し指の動きを分離したいんですよ」


人差し指の根元で「支える」が、それがロックの原因になってはいけないということ。


それから、親指におもりをつるして握る力を抑制してみたり、手のひらと指板の間に指を差し込まれたりするが治らない。手首や肘を使うと「入る」ようになるのだが、それは「おかしな癖」になるので禁止。


先生 「うーん・・・」


そう、私自身もこうして堂々巡りを繰り返しているのである。

最終的に「一回離してしまうくらいの気持」でやると、一番すんなり行くことが解った。
練習用のパターンをもらって、この問題はしばらく様子を見ることになった。


   


さて、そこからホーマン203番をやったのだが、前日の自己練習の調子の良さはどこへやら。弓の使い方、強弱にまで踏み込んで練習していたはずなのに、弾くだけで精一杯。弾き間違える。落ちる。音もしょぼしょぼ。

しかし、どうやら「復活」する事には慣れたらしく、落ちては復活するというギリギリアウトラインで進行する。


弾き終わった直後の先生は無言。
そして、演奏そのものについては駄目すぎて指摘のしようがないらしく、ひざを使ってしまっている事や、足の開きすぎを指摘される。


私は合唱でもよく足の開きすぎを指摘されるが、足と足の間を測ってみると、周りとあまり変わらなかったりすることが多い。では、なぜ足を開いている様に見えるかというと、足の角度の問題、突き詰めると、要するに足が短いということになる。同じ肩幅でも足が短い分だけ股関節の角度が広くなるので、ものすごく開いているように見えるのだ。


先生 「なんか鳴らないですねぇ」


と、私のバイオリンを取り上げる先生。駒を眺めたり、魂柱をチェックしたりしている。
そして、ガツガツと鳴らし始める。


先生 「ちゃんと鳴らしてやってます?」


私 「はい・・・わりと鳴らしてるつもりですが・・・」


先生 「習ってないエリアの高音もしっかり圧力かけて鳴らして下さい」


私 「はい」


先生 「前に弾いた時より全然落ちてますよ」


私 「マジですか?!」


そう聞いてみたもののMogaの出している音を聞けば自分でも判る。

明らかに弱くなっている。

自分でもここ数日「なんかおかしい」と思い始めていたのである。


先生 「ほら、これ(レンタル用の安価のバイオリン)でもなるのに、この辺の高音鳴らないでしょ?」


私 「orz」


先生 「ウルフでは無いと思いますけど、高音域になんかバリアみたいなのが合って鳴ってないので、もっとしっかり高音鳴らしてやってください」


そして、しばらく先生による楽器調教。


先生 「これで多少はマシでしょ。」


調教されたMogaでもう一度ホーマン203を通し、合格するはずもなく終了。


   


さて、先生は明日から2週間にわたって海外遠征である。なので、「おらん間の分」として大量に宿題を賜った。しかし、良く考えてみたら元々月3回のレッスンである。次のレッスンまで2週間や3週間あくことは別に普段からある。

しかも来週は坂本先生以外の先生のレッスンに里子に出されるため、「おらん間の分」とは別に2曲宿題を貰っているのである。


一言で言うと「ハメられた」というヤツである。

Lesson25(前編)-肉体限界-

2011年2月27日、日曜日。
この日は25回目のレッスンであった。

諸事情あってこの日のレッスンは21時45分からスタート。


先生 「今日は何時間練習してきました?」


私 「4時間くらいですかね・・・」


先生 「じゃあ、ト短調」


私 「練習時間と何か関係があるんですか?」


先生 「よーけ弾いて来たなら、この辺の長調はええかなって感じです」


『この辺の・・・』とは、二長調・ト長調・イ長調の事だ。
先生は『どうせ出来てるんでしょ?』と言わんばかりの顔である。

確かに短調は弾けるか弾けないかのギリギリラインであるのに対して、この3つの長調は音をどう綺麗につなげるかとか、いろんなテンポでも大丈夫なようにとかそういうあたりまで踏み込んで練習している。

今日のウォーミングアップが済んでいるなら、今のレベルとしてある程度出来ているところはチェック不要というわけだ。

それよりも、「やらされて嫌なヤツ」をチェックしようという精神。この辺りの「チェックされたら嫌なところ」を見抜いて積極的に攻めて来るあたりは流石である。


   


フリマリー 『ト短調 スケール&アルペジオ』
HRIMALY_006_gmoll.jpg


未だに、「○○調」と言われてパッとそれに対応できるに至っていない。すこしだけ頭の中で運指を復習してからスタートし、なんとか弾き切る。


先生 「まぁ、間違えずに弾けているのは良いんですが・・・」


私 「はい」


先生 「そのバイオリン、そんなに鳴らないバイオリンでしたっけ?」


私 「いや・・・あと3倍はなるかと・・・」


先生 「じゃあ、それでやってください。」


そして、前回のレッスンとは逆で、今回は後半部アルペジオを中心に指導される。


先生 「こっちのソで弓がビューンってなるのやめましょうか」


指摘されているのはアルペジオの一山目の最高音、ソ。


私 「そうなんです。そうなっちゃうんですよ。」


そう、私はどの調でもアルペジオの最高音で弓が変に早くなり、綺麗な音が出ないのである。これは自己練習の時から気付いているのだが、色々と試してみたが治らない。

アルペジオの最高音でもなる場合とならない場合があるのだが、自分なりに分析してみた結果、どうもE線で鳴らす音が一音だけの場合でなりやすいということまでは判ってきている。最高音がE線で1音だけの場合、弓の返しをしながら移弦して一音だけならした後、すぐに今度はスラーでの移動弦となるため、弓がちょっと「忙しい」。そして、気が焦ってしまって弓の動きが荒くなっているのだと思っている。
だが、いくらそれを治そうと意識しても治らない。

そのことを先生に打ち明ける。


私 「多分E線で1音だけ鳴らす場合に、焦ってなっちゃうんだと思うんですけど・・・いくら気をつけても治らないんですよね」


しかし、


先生 「後の方はなってないですよ?」


私 「ぇ?でもこっちは2音・・・」


先生 「後ろもソだけですよ。ミは♭で開放弦と違いますよ」


私 「!!」


別に弾き間違えていないのに、何故こちらはE線で2音ある気になっていたのだろうか。


私 「時間遅いからもう脳が寝てるんやと思います」


先生 「多分、こっちはミ♭の音程に意識が行ってるから大丈夫なんじゃないですか?」


私 「あぁ・・・なるほど」


この、『E線で1音だと明示的に意識していなかったら』『ならなかった』というのはかなり重要なポイントであると思われる。


先生 「ソに行く前のレにdim.があるつもりでやってみてください」


アルペジオだけを弾く。
そして、レでdim.を意識してソに向かう。

すると、『ならない』。
あれだけ苦労したのにたったこれだけのことでならない。


先生 「じゃあ、それで。」


   


先生 「じゃあ、ハ長調行きましょうか」


フリマリー 『ハ長調 スケール&アルペジオ』
HRIMALY_008s_Cdur.jpg


一回弾いてみるが、グダグダ。


先生 「なんてー!?」


私 「ちょっと音確認させてください・・・」


一音ずつ音を確認してから再度弾く。
駄目なポイントはわかりきっているので自己申告。


私 「ドが届きません」


E線の気合のドが届かない。
家でいくらやってもドは届かなかった。

私の手は馬鹿デカくはないが、小さい方ではない。
どう考えても私よりも手が小さな女性バイオリニスト達が悠々と届いているところを見ると、手が小さいとか形がどうとかではなく、きっと「やり方が間違えている」のであろう。


先生 「指の伸ばす方向が違うからですね」


やはり。


先生 「ぷぃぷぃ虫さんは、こう、伸ばして取ろうとしてるでしょ?」


私 「はい」


先生 「それはキツイので、こう。開く方向で。」


当然の様に届く先生の手は、ドに向かうときの手の形が明らかに私とは違う。


先生 「ここの筋肉だけがムキムキになる感じです」


見ると、先生の小指したの筋肉はムキムキと盛り上がっている。


まずは手の形を変えて取り方を変えるとしても、『気合のド』はすぐには出来ないことが解った。
届いたとしてもギリギリすぎて「使える音」ではない。

声と同じである。
私は調子が良ければ実声でHi-CやHi-Dが出せる。
Hi-Dは声変わりをした大人の男性としては、生物的な限界に近い高さであるが、これは「びっくり人間コンテスト」みたいなもので、あまり意味が無い。私が歌の中で使えるのはそのはるか手前、Aくらいまでである。
カラオケで高音域を青筋を立てながら歌って高音自慢しているかのような姿をよく見かけるが、アレは自己満足だから良いのであって、大抵聞いているのはしんどいものである。

ゆとりなき音域は音楽としては使えないのだ。


手を開く方向の動きに、私の手が全く対応していないのである。
筋肉も足りないし、筋も硬い。
私の左手の、現在の身体限界の向こう側にドがある。

しばらく手を開くトレーニングのようなものを日常的に取り入れて鍛えてやらないことには、『気合のド』を涼しい顔で使えるようにはならないだろう。


   


ここで宿題タイム。

説明と共に新たに5つの音階練習が追加された。
これで抱えている音階練習は全部で12になった。

今後レッスンのたびにランダムで2つか3つチェックされるかと思うと頭が痛い。

Lesson24(後編)-一勝一敗-

いつもであればフリマリーチェックは長調・短調を一つずつで終了である。
ところが、この日はスムーズに進行したからか、おかわりを頂いてしまうことになった。


先生 「じゃあ、ハ長調やっときましょうか」


ハ長調スケールは課題リストにこれまで入っておらず、この時まさに追加になったもの。
つまり初見である。


フリマリー 『ハ長調 スケール&アルペジオ』

HRIMALY_008s_Cdur.jpg


見ての通り、E-4のドなるものが登場している。
いままで、E-4はシもしくはシ♭だけだったが、もう一つ上を気合で伸ばして取るというわけだ。いつぞやの「男子たるもの・・・」と先生が言っていたものが、いよいよ現実となってやって来たというわけである。


いきなり16連スラーなど不可能なので単音ボウイングで音だけ拾っていく。
そして問題の"ド"。


― ぐぉ・・・届かねぇ・・・


気合で伸ばす。


先生 「そう。そこ!」


私 「指ツリそうです・・・」


先生 「シからドに行く時に指を上げないでください。スライドさせる感じで!」


― それどころじゃ・・・


先生 「ちょっと肘入れても良いですよ」


肘を入れると多少は届きやすい。

気合の"ド"に届かせるためのアドバイスをいくつか貰って、「練習してきてくださいね」となった。


   


続いてはホーマン195番 『FARMER'S SONG』(楽譜)。


ザッツを出してスタートした瞬間、弓がビヨンビヨン暴れる。


先生 「弓を置いたら、ちゃんと止まってから始める!」


― ひぃ・・・


先生 「弓が暴れてるウチから弾くからおかしくなるんですよ。」


気をとりなおして再チャレンジ。

特に崩れることもなく、最後まで通る。
なかなか良い感じだったのではないだろうか。


先生 「2段目からの伴奏の所がin tempoすぎますね」


私 「?」


HOHMANN_195_P4.jpg


きっちりテンポを守って弾いて怒られるとはこれ如何に。初心者というものは普通、「走るな!」とか「遅れていくな!」という怒られ方をするものではないか。


先生 「ぷぃぷぃ虫さんがどれだけひどい事をやってくれているか、逆の立場でやってみましょうか」


と、出だしに戻って弾くことになる。
この曲は主旋律パートと伴奏パートがほぼ同じことを交互に繰り返しながら進行していく作りになっているので、1段目と2段目は上下パートの役割が入れ替わっているだけなのである。つまり、先生が私の伴奏を真似して「どうなっているか」を示してくれるというわけだ。



先生 「まずは、普通にやりますね」


スタートする。
やっぱり「ええ感じ」である。
先生の伴奏に乗っかっていると、すごい「音楽」になっている感じがするのだ。


先生 「これだと何の問題もないですね?」


私 「はい」


先生 「じゃあ、ぷぃぷぃ虫さんのをやりますね」


スタートする。
すると、私は先程と同じ感じで弾いているハズなのにとてつもなく弾きにくい。
先生が私よりも早かったり遅かったりしてテンポ感が合わない。


― なるほど、ゆらぎがゼロなのか・・・。


先生 「ね? ひどい仕打ちでしょ?」


in tempo過ぎるという事の意味を理解した。確かにこれはひどい仕打ちである。そして、それに気づくと同時に、今まで如何に先生が合わせに来てくれていたのかを理解した。


私 「マシーンになって弾いてたんですね・・・私」


先生 「そうですね。 in tempoでもメロディーにこれくらいの揺れはありますから・・・」



今度はゆらぎを意識して、もう一度初めから弾く。
主旋パートを抜けて、問題の伴奏パートへ。


先生のメロディーを聴く意識と自分のパートを弾く意識。その意識配分率を変える。
先程までは9:1くらいで自分に向いていたのを、5:5くらいまで頑張って聴く方に振り向ける。

メロディーのゆらぎに寄り添えるように頑張る。
でも、一方で「流されてはいけない」のが伴奏パート。

先生の演奏だからテンポが早くなっていったり遅れていったりすることはないが、「引っ張ってもらう」だけでは音楽にならない。自分で感じてin tempoの範疇を守りながらゆらぐ必要があるのである。

マシーンになろうとする自分と、流されきってしまいたい自分。その狭間で踏ん張るのだ。


― なるほど・・・伴奏パートには伴奏パートなりの難しさがあるなぁ


こればかりは一人だけでは練習にならないポイントである。


そして問題の箇所をなんとか抜け、そのまま続けて最後まで弾いた。


   


先生 「やっぱり、マイナーからの戻りが突然過ぎますねぇ。」


HOHMANN_195_P3.jpg


次に指摘されているのは4段目フェルマータ後の入り方。
何が"やっぱり"かというと、前回も同じ指摘をされたからのである。もちろん、それを忘れていたわけでも、ノーアイデアで来たわけでもない。前回指導されたポイントについては自分なりに改善してきたつもりだ。

フェルマータから次の入りまでに和音も感じているし、立ち上げも静かに立ち上げるようにしている。これ以上何が不満だというのか。


先生 「下のパート見てください」


私 「ぇ?下のパート?」


ここの出だしは私が一人でラの音を鳴らすのである。
そのテンポ感や雰囲気を感じて先生が入ってくるという図式なのではなかろうか。


先生 「ラからラにオクターブの移動がありますね」


私 「はぁ」


先生 「その、オクターブ飛ぶ『時間』が欲しいんですよ」


― なるほど・・・そういうことか


私はマイナーからの戻りで意識していたのは「最初の音」だけだったのである。そして、次の小節からは完全に元のテンポにそれこそ"いきなり"戻していた。

それが「突然」すぎるというわけだ。
私が柔らかく立ち上がったということは、下のパートも柔らかく立ち上がりたい。そして、じわっと加速しながら元のテンポに向かいたいというわけである。


指摘された内容に注意して、そこだけを弾く。
柔らかく立ち上がって、先生の上のラを「待つ」。

私だけがテンポを決めるのではない。
お互い感じ合ってテンポがその場で「決まる」のだ。


先生 「そうですね。そういう感じです。」


しかし、そのままスッとは行かないのが坂本流である。


先生 「ということは?」


私 「ぇ?」


先生 「一番最初はどうなりますか?」


私 「ぁ・・・」



伴奏パートが同じようにオクターブ移動しての立ち上がり。


先生 「やはりちょっと待つくらいのほうが、聞いている人にはin tempoに聞こえるんですよ」


ゆらぎはメロディーパートだけが作るものではないのだ。


先生 「一般人の思うin tempoと我々演奏家のin tempoは違いますからね」


― 深い・・・深いぞ!


   


先生 「最後のミファ(#)ソ(#)ラですけどね」


私 「はい」


HOHMANN_195_P5.jpg


先生 「とりあえず低い!」


私 「orz」


先生 「ミファ(#)とファ(#)ソ(#)の間が両方とも小全音になってしまってて、どんどん低くなって行ってます。」


私は曲の『最後』のロングトーンでぷるぷる病になりやすい。
その事にビビって音程に意識が行っていないのだ。


先生 「それから、rall.」


先生のラッシュが始まる。



先生 「ファ(#)よりソ(#)の方が音が長いはずですよね?」


私 「はい。」


先生 「今は、同じくらいになってますよ」



これも同じ。
最後のロングトーンが気になって仕方がないから、その前の音など適当に処理されてしまっているのである。


先生 「あと、最後の音」


まだまだ止まらない。


先生 「いつ終わるんですか?」


私 「は?」


先生 「ただ伸ばしているだけで、弓が無くなったから終わるんやろなぁ・・・っていう感じしかしないですよ」


― だって弓がなくなったら終わってますもん!


ロングトーンが気になっ・・・(略)


先生 「こういう感じでふくらみがいるでしょ?」


先生がお手本を見せてくれる。


― わかる。わかるよ!わかってるんだよ!!


私もそうしたい。是非そうしたい。
だが、腕というものがだね・・・


最後の最後で猛ラッシュを受けたが、自分的には全体的になかなか満足の仕上がり具合である。これは、多分OKかな・・・と思ったら、予想通りクリアとなった。


   


さて、続いて、少し時間があったので次の曲に進む前に新しい課題をやはり初見で弾かされる事になった。


「気弱です」と言わんばかりの弱音でしょぼしょぼ弾いていると、



先生 「弾くなら弾く!


このセリフ。何度言われたことだろうか



私 「初見苦手なんですよぉ」


先生 「大抵は初見苦手ですよ」


― デスヨネー


先生 「初見を苦手じゃなくす方法は、『ちゃんと弾く』ことです」


― ヘーイ


   


初見大会で苛められた後は、ホーマン203・・・だったのだが、この曲は練習時間が足らず「切り捨てた」曲。何しろ、譜読みすら終わりきっておらず、真ん中より先は全く弾けないのである。


そして、いざ弾いてみるとそこまですら辿りつかず、たった一段で落下。


先生 「あきらめすぎ!もっと行けるはずでしょ?」


確かに、ホーマン195と203を弾いているのが同一人物とは自分でも思えないほどのヘッポコぶりである。


先生 「ダメな所とか苦手なところとかがあるのは仕方がないとして、初見でも行けそうなところあるでしょ?」


― ぅ・・・確かに


先生 「前からキッチリ練習をやって行くタイプの人もいますけど、それだけやったら進まないでしょ?」



私は完全にその「前から作っていくタイプ」である。



先生 「時間もったいないですよ」


― ぐぅの音もでませぬ。


まぁ、でも仕方がない。
限られた練習時間で、今日はホーマン195に賭けて来たのである。
もとより、怒られることは覚悟の上だ。

狙ったほうが確実に"取れた"だけでも頑張ったじゃないか自分。


今日のところは一勝一敗でヨシとしておこうではないか。






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ぷぃぷぃ 虫

Author:ぷぃぷぃ 虫
酒飲み三十路男。
ふと思いつきでバイオリンを初めてしまう。合唱歴は10年超えだが楽器は素人。
ひょんな事からヴィオラも初め「させられる」。レイトスターターながらスイッチプレーヤーを目指すことに・・・

職業 SE。やぎ座のA型。

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